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【中山大障害(G1)展望】オジュウチョウサン「ラストラン」から早1年……ニシノデイジーが連覇に挑戦!屈腱炎からスピード復帰の11歳馬にも熱視線

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【中山大障害(G1)展望】オジュウチョウサン「ラストラン」から早1年……ニシノデイジーが連覇に挑戦!屈腱炎からスピード復帰の11歳馬にも熱視線の画像1
ニシノデイジー

 2023年の中央競馬も残すところあと3日。24日にはグランプリ有馬記念(G1)が行われるが、その前日の土曜中山10Rに組まれているのが、国内のハードル界で最高峰とも称される中山大障害(G1)だ。

 今年はフルゲート16頭に対し、13頭のエントリーに留まったが、登録メンバーにあの名馬の名前はない。2010年代半ばから長らく障害界の王者に君臨したオジュウチョウサンのことである。

昨年の覇者ニシノデイジーの復活はあるか

 ちょうど1年前の中山大障害でラストランを迎え、9年以上に及ぶキャリアに終止符を打った。そのレースで世代交代を果たしたのがニシノデイジー(牡7歳、美浦・高木登厩舎)だった。

 2歳時に札幌2歳S(G3)と東京スポーツ杯2歳S(G3・当時)を連勝し、暮れのホープフルS(G1)ではサートゥルナーリアらと人気を分け合うなど、平地でも活躍したニシノデイジー。3歳秋の菊花賞(G1)では2番人気に支持されるほどの実力を誇ったが、古馬になってからは苦戦が続いた。

 障害に転向したのは6歳となった昨年の春。初戦でいきなり3着に入ると、半年後の当レースを5番人気で制し、障害界の新王者となった。

 オジュウチョウサンのラストランとして注目を集めた昨年のレースで、ニシノデイジーは2番手から早め先頭に立つ横綱相撲を披露。最後は2着のゼノヴァースに3馬身差をつける圧勝で、今年は障害界を牽引する立場に立つはずだった。

 ところが、今年初戦の阪神スプリングJ(G2)で3着に敗れると、続く中山GJ(G1)は9着に惨敗。さらに秋初戦の東京ハイジャンプ(G2)は、ブービー11着と王者らしからぬ走りで、1年前からその評価は急落している。ただし、今年は他に絶対的な存在が不在。メンバー唯一のG1ウイナーとして、無様な競馬だけはできない。

マイネルグロンは障害転向後に素質を開花

 ニシノデイジーとは対照的にうなぎ上りの評価を見せているのが、平地では未勝利に終わったマイネルグロン(牡5歳、美浦・青木孝文厩舎)だ。

 平地で勝利を飾れなかったとはいえ、4度の2着はあったものの、陣営の決断は早く、3歳暮れには障害界への転身を図った。

 初戦から非凡な飛越能力を見せたマイネルグロンは、転向3戦目で初勝利。その後は惜敗が続いたが、今年に入ってからオープンクラスのレースを2連勝し、迎えた前走の東京ハイジャンプを8番人気で制し、重賞初制覇を飾った。

 目下3連勝中の勢いは認めるものの、これまで障害レースで走った最長距離は2走前の3380m。今回はそれより720mも長く、大竹柵と大生け垣が待ち受ける非常にタフなコースとなる。まだ若い5歳馬だけにここで完勝を収めるようなら、障害界で一時代を築く可能性もあるだろう。

同じくマイネル軍団のマイネルレオーネも侮れない

 マイネルグロンと同じ「マイネル軍団」の古豪、マイネルレオーネ(牡11歳、栗東・清水久詞厩舎)もまだまだ見限れない存在だ。

 登録メンバーで最高齢の11歳という数字はひと際目を引くが、2年前のペガサスジャンプS(OP)を制したほか、昨年春の中山GJと暮れの本レースでともに3着に健闘するなど重賞でもたびたび好走してきた。

 今年は3月の阪神スプリングJで6着に敗れた後、中山GJに出走を予定していたが、屈腱炎を発症。年齢から引退の二文字もよぎったが、陣営は現役続行を決断。8か月後の京都ジャンプS(G3)でスピード復帰を果たすと、勝ち馬から1秒0差の6着と善戦して見せた。

 休み明けをひと叩きされた今回は、前走以上の状態でレースを迎える可能性は高いだろう。410kg台の小柄な馬が文字通り数々のハードルを乗り越えて悲願の重賞初制覇をこの大一番で達成することができるだろうか。

 障害に転向後、8戦4勝の好成績を残しているジューンベロシティ(牡5歳、栗東・武英智厩舎)も一発の能力を秘める。

 今年は中山GJで6着に敗れた後、6月の東京ジャンプS(G3)と9月の阪神ジャンプS(G3)を連勝。その時点で新星誕生という声も上がったが、前走の東京ハイジャンプで4着に敗れ、連勝は止まってしまった。

 それでも4角最後方から最後の直線だけで8頭をまとめて交わしており、位置取り次第では優勝争いに加わっていたはず。前走の敗戦で大きく評価を下げる必要はないだろう。2度目のG1で大仕事をやってのけてもおかしくない。

 その他には、前走・京都ジャンプSで重賞初制覇を飾り、障害での成績を5戦3勝としたエコロデュエル(牡4歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)、今年5月の京都ハイジャンプ(G2)を制したダイシンクローバー(セ7歳、栗東・安田隆行厩舎)、前走の阪神ジャンプSで3着に健闘したネビーイーム(牡5歳、栗東・佐々木晶三厩舎)なども出走を予定している。

 主役不在の混沌とした時代を迎えている障害界に新たなスター候補が生まれるのか。注目の中山大障害は、23日の15時5分に発走を迎える。

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