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日経新春杯(G2)「流星の貴公子」テンポイントの悲劇から46年…伝統のハンデ戦は今年も4歳馬が有利?【東大式必勝馬券予想】

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日経新春杯(G2)「流星の貴公子」テンポイントの悲劇から46年…伝統のハンデ戦は今年も4歳馬が有利?【東大式必勝馬券予想】の画像1

 6日の中山金杯(G3)は拙稿の推奨馬、リカンカブールが見事快勝!新年幸先の良いスタートとなった。

 紙幅の関係で詳しく書けなかったが東大式鉄則「2,3着が少ない馬はポテンシャルが高い」。同馬のそれまでの成績は1,2,3,着外の順に“4-1-0-4”こういう馬は火事場の馬鹿力を持っている。

 そして鉄則「前走で出遅れ惜敗した馬は雪辱に燃える」。リカンカブールも前走チャレンジC(G3)で出遅れながら勝ち馬から0.5秒差。馬も生き物、悔しさをバネにして美酒ならぬ美ニンジンに酔いたいものだと東大農学部の先輩が言っていた。

 馬券の方は、2(3)着に指名したボーンディスウェイが4着で取り逃がしたが、令和6年は「自分を信じろ」「惚れた馬とは心中覚悟」の新鉄則を加え、金満生活を夢見てゆこう。

 さて14日には京都競馬場でハンデのG2・日経新春杯(芝2400m)が行われる。

 昭和29年に創設された正月の風物詩ともいえる名物重賞だが、オールドファンなら昭和53年1月22日のレースは一生忘れ得ぬであろう。小雪の舞う淀のターフ、万雷の拍手で迎えられたのは直前の有馬記念(現G1)で宿敵トウショウボーイを下して年度代表馬となった“流星の貴公子” テンポイント。

 鹿戸明騎手を背に王者の風格を漂わせるも負担重量はなんと66.5キロ。別定戦アメリカジョッキークラブC(現G2)ならせいぜい60キロなのに…と当時高校3年の私でも思ったが「海外遠征の前に関西のファンに雄姿を見せたい」との関係者の弁に期待半分、不安半分の中、9頭立てでゲートは開いた。

 単勝1.3倍の圧倒的1番人気、もはや“流星の王者”は酷量のなか天皇賞馬エリモジョージらを従えすんなり先頭に立つ。やはり楽勝間違いなしと観衆の安堵ももれた第4コーナー入り口で悲劇は起こる。

「ああっと、テンポイントちょっとおかしいぞ…これはどうしたことか、故障か…これはえらいことになりました」

 名アナウンサー杉本清の絶叫が響く。左後肢の開放骨折。安楽死処分やむなしの重傷だったが関係者は何とか命をつなごうと大手術を決断、翌日に無事成功。

 私ごとで恐縮だが東大受験をおよそ1か月後に控え激しく動揺していたが、一命はとりとめたの報に気を取り直し“東上”。そして3月3日、当時行われていた1次試験に臨み翌日合格、2次進出の朗報と同時に舞い込んだのが、闘病空し…蹄葉炎には抗えなかったテンポイントの訃報であった。

 栗東トレセンでの葬儀と同日の7日、本郷をターフに東大2次試験。無念ではあるが有馬記念での雄姿をしっかり胸に刻み、私も先頭でゴールを駆け抜けた(つもりだ)。そして社会に入りテレビ演出家として特番「天国のスタア~聖夜にしのぶ44人」を制作、美空ひばりや石原裕次郎ら星になった大スターたちにテンポイントも私の独断で加えることにした。

 司会は“馬友”徳光和夫さん、コメントは杉本清アナウンサー。「見てくれこの脚!これが関西の期待テンポイントだ!」阪神3歳Sに始まり、5歳の有馬記念もフジテレビの中継を受けず自ら出向きユニ(放送用語で独自取材のこと)で「中山の直線を流星が走りました!」一連の名実況映像を紹介し、収録時杉本アナと互いに確かめ合ったのは「テンポイントがいたから今の私がある」。私も天に召されたらテンポイントにお礼の報告に行くことにしよう。

伝統のハンデ戦は今年も4歳馬が有利?

 この辺で「東大馬券王の大よそー」。とんでも酷量はなくなったが依然ハンデ戦。データ的にも負担重量的にも明け4歳が有利。前走菊花賞組からG2すでに2勝のサトノグランツが頭の第1候補。“4-1-0-3”の成績も冒頭で紹介したリカンカブールに瓜二つ。

 菊最先着(4着)で“3-0-1-3”のリビアングラスも頭候補に、2(3)着は右回りイマイチのハーツコンチェルトは軽視し、複勝率6割を超えるサヴォーナに決め打ち!と、ここで有馬記念でもいいところがなかった“明け4歳世代のレベル”への疑念も頭をよぎる。

 強いイクイノックス世代(明け5歳)のブローザホーン、レッドバリエンテからシルバーコレクター(2着が8回)8歳ハーツイストワール流しの3連単も少々押さえに。

 人生も競走馬も「無事これ名馬」。テンポイントが天国から見守る下、どうか全馬何事もなくゴールを駆け抜けますように。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

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尼崎昇

尼崎昇

初めて見たダービー馬はタニノハローモア。伝説的な名馬の走りをリアルタイムで見てきた筋金入りの競馬通は「当たって儲かる予想」がモットー。過去に東京大学で競馬研部長をつとめ、スポーツ新聞やラジオ解説を担当した勝負師の素顔は「隣の晩ごはん」や「おもいッきりテレビ」などの大ヒット番組を手掛けたキー局の敏腕プロデューサー。德光和夫、草野仁ら競馬界の著名人との親交もあり、競馬談義を繰り広げる仲である。

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