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3億円ホースに、東スポ杯勝ち馬、ホープフルSの1番人気馬も…4歳牡馬「行方不明」続出に心配の声。ソールオリエンスとタスティエーラの惨敗だけじゃない不安視の理由

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イクイノックス 撮影:Ruriko.I

イクイノックス引退の2024年に「主役」になるはずが…

 日本だけでなく、世界でもNo.1に君臨したイクイノックスがターフを去った2024年。再び群雄割拠の時代に突入した競馬界だが、そんな中でイマイチ存在感を発揮できていないのが「昨年の牡馬クラシック組」ではないだろうか。

 明け4歳といえば、競走馬としてまさに旬。本来であれば新時代の主役として、今年の競馬界を牽引していかなければならない世代だ。

 しかし、先週の日経新春杯(G2)こそ、昨秋の神戸新聞杯(G2)の1着馬サトノグランツが3着、2着馬サヴォーナが2着と気を吐いたものの、勝ったのは1つ上のブローザホーン。今週のアメリカジョッキークラブC(G2)に至っては、4歳牡馬が皐月賞(G1)5着のショウナンバシットだけという寂しい状況である。

 無論、「昨年の牡馬クラシック組」の存在感が薄いのは、昨年末の有馬記念(G1)で期待された皐月賞馬のソールオリエンスと、ダービー馬のタスティエーラが8着、6着と掲示板(5着以内)に載れなかったことが最大の原因だろう。これでもし菊花賞馬のドゥレッツァまで思うような結果を残せないようであれば、今後「谷間の世代」などと評されているかもしれない。

 ただ、この昨年の牡馬クラシック組が存在感を発揮できていないことには、明確なもう1つの原因がある。「行方不明」があまりにも多過ぎることだ。

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ガストリック 撮影:Ruriko.I

ガストリックら4歳牡馬「行方不明」続出に心配の声

 例えば、屈指の出世レースといわれる東京スポーツ杯2歳S(G2)を勝ったガストリック(牡4歳、美浦・上原博之厩舎)は昨年、一度もターフに姿を現すことがなかった。

 イクイノックスやコントレイルといった名馬が近年の勝ち馬に名を連ねている東京スポーツ杯2歳Sを勝ったガストリックだが、昨年の皐月賞を目指す過程で脚部不安を発症して放牧へ。今なお復帰の声は聞こえてこない。

 ホープフルS(G1)の大敗で歯車が狂った感は否めないが、東京スポーツ杯2歳Sでは後のダービー3着馬ハーツコンチェルトやG1馬ドゥラエレーデを破っているのだから、順調なら重賞戦線を賑わす存在になっているはずだ。

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タッチウッド 撮影:Ruriko.I

 東京スポーツ杯2歳Sと同じく東京・芝1800mの出世レースといえば、共同通信杯(G3)で2着したタッチウッド(牡4歳、栗東・武幸四郎厩舎)も長期休養中だ。

 昨年2月の共同通信杯では、ファントムシーフにこそ先着を許したものの、暴走気味に逃げての2着と大きなインパクトを残したのは本馬だった。折り合い面の課題は明らかで、次走の皐月賞でも無茶なレースぶりで13着。そこからリフレッシュ放牧に入ったはずだが、未だ音沙汰がない状況だ。

 大きな課題はあるものの、世代でもトップクラスの潜在能力を感じさせる大器。成長次第では、圧倒的な逃げで世界を驚かせたパンサラッサのような個性的な馬になる可能性も秘めているだけに、早期の復帰を多くのファンが待っている。

 昨年は、1番人気のレガレイラが人気に応えたホープフルSだが、一昨年の1番人気馬を覚えている人はあまり多くないかもしれない。

 デビュー戦で後のきさらぎ賞(G3)の勝ち馬フリームファクシ、京都2歳S(G3)の勝ち馬グリューネグリーンを負かしたミッキーカプチーノ(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、その勢いのまま葉牡丹賞(1勝クラス)も連勝。一昨年のホープフルSでは1番人気に推された逸材だ。

 5着に敗れはしたものの、鞍上の戸崎圭太騎手が「決して力負けではなく、精神的なもの」とコメントしている通り、本来なら世代屈指の存在としてクラシックロードを歩んでいたはず。しかし、その後に調整放牧に出たまま1年が経過している。

 スケールという点でオープンファイア(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)の名も挙げておきたい。

 2021年のセレクトセールにおいて3億円で落札されたオープンファイア。すでに他界しているディープインパクトの最後の大物と期待されたが、敗れはしたもののきさらぎ賞で2着を確保し、クラシック戦線に挑むとみられていた。

 しかし、その後に脚部不安で長期休養に入ると、今なお復帰の朗報は届かない。母が米国の重賞馬というのは、ディープインパクトの成功パターンの1つ。その価格からも、このまま終わるわけにはいかない存在だろう。

 これらを「行方不明」というのは少々大袈裟かもしれないが、実際にネット上でも多くのファンから「どこいった?」「いつ帰ってくるんだろうか」「おーい、元気にしてるか?」など、復帰を待つ声が後を絶たない。

 4歳牝馬にはリバティアイランドを筆頭に、エリザベス女王杯(G1)を勝ったブレイディヴェーグや、ローズS(G2)をレコード勝ちしたマスクトディーヴァなど、スケールの大きな馬が目立つ。また、ダート路線も地方の雄ミックファイアこそ東京大賞典(G1)で躓いたが、米ブリーダーズCクラシック(G1)で2着したデルマソトガケや、4戦4勝のヤマニンウルスなど、タレントは豊富と世代全体のレベルは決して低くない。

 ソールオリエンスやタスティエーラが古馬の壁に跳ね返されたことで不作といわれる明け4歳牡馬クラシック組だが、上記したような遅れてきた逸材が起爆剤になるかもしれない。

 年長馬を相手に苦しい戦いが続いているが、本当の勝負所はここからだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

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