イクイノックス、ドウデュースが「世界のベストホース」にランクイン!日本の4競走が選出の快挙…「G1未勝利」でも食い込んだアノ馬に存在感
こちらはレーティング115以上の288頭(実頭数)がランク付けされたもので、日本調教馬から56頭がランクイン。この頭数は過去最多だった2022年の48頭を上回り、米国の57頭に続く第2位の快挙となった。
競走馬としても世界最強馬としても異彩を放ったのは、やはりイクイノックス。昨年の天皇賞・秋(G1)で128、ラストランとなったジャパンC(G1)で135をマークして1位に輝いた。現役引退後に種牡馬として発表された初年度の種付け料はなんと2000万円。まだ産駒がデビューしてすらいない状況で破格の好待遇である。これから誕生する産駒たちに「父超え」の活躍が期待される。
2位タイに選ばれたのは、ジョッケクルブ賞(仏G1)で125、凱旋門賞(仏G1)で128をマークし、デビューから無傷の6連勝で現役生活を終えたエースインパクト。日本のイクイノックスにこそ1位の座を譲ったが、昨年の3歳世代における世界一の評価に変わりはない。同じく2位タイにはプリンスオブウェールズS(英G1)を楽勝したモスターダフが入った。
JRA(日本中央競馬会)の吉田正義理事長のコメント通り、昨年の「2022年世界のトップ100・G1競走」でトップ10にランクインした日本の競走はなかったが、今回は4つの競走が選出された。ダートでも世界最高峰のレースレベルとされるサウジC(G1)をパンサラッサ、ドバイワールドC(G1)をウシュバテソーロが優勝する歴史的快挙もあり、日本競馬全体のレベルアップが証明されたといえるだろう。
G1勝ちのイクイノックス、ドウデュース以外にも大健闘したのは
その一方で、トップ10にランク入りした4競走の内訳にも注目しておきたい。
1位と2位はイクイノックスが圧勝した天皇賞・秋とジャパンCであるが、日本ダービー(G1)で本馬を退けたドウデュースも10位タイと健闘。対象となったのは、もちろん復活勝利を遂げた有馬記念(G1)であり、レーティング124を獲得した。
昨年は京都記念(G2)を快勝する絶好のスタートを決めながら、次走に予定していたドバイターフ(G1)の直前に脚部不安が判明。順調さを欠いた秋の2戦は不本意な結果に終わったものの、想定外のアクシデントで手綱を取れなかった主戦の武豊騎手と共に暮れの大一番で復活した。陣営の大目標は凱旋門賞で変わりなし。今年こそ忘れ物を取りに行けるだろうか。
また、クラシックでライバル関係にあった2頭とは別の意味で、存在感を発揮したのはタイトルホルダーだ。
本番の天皇賞・春(G1)では、レース中の負傷で無念の競走中止となったが、前哨戦の日経賞(G2)で圧倒的な強さを見せたことが決め手となった。同レースでは、出走メンバーで最も重い59キロの斤量を背負って、2着ボッケリーニを8馬身置き去りにする独走で圧勝している。G1未勝利に終わった昨年だが、トップ10入りで存在感を発揮した。
「不良馬場での開催ということもあり、重の巧拙も問われたレースでしたが、めちゃくちゃ強かったですね。日経賞は前年に続く連覇でしたし、このときはボッケリーニとクビ差の辛勝でしたけど、2度目の優勝は力の差を見せつけるのに十分過ぎる走りでした。
中山の芝2500mで行われるG2だけに、同舞台の有馬記念でも期待していたのですが、勝利には縁がありませんでした。とはいえ、引退レースとなった3度目の挑戦で3着に好走してくれたのは、嬉しかったですね」(競馬記者)
日本で開催されたG1は多数あり、牝馬三冠を達成したリバティアイランドなどもいる中でG2が評価されたことは素晴らしい。北海道新ひだか町のレックススタッドで種牡馬入りが決まっているタイトルホルダーの初年度種付け料は、350万円(受胎条件)とのこと。これから生まれてくる産駒たちに父の果たせなかった「打倒イクイノックス」の夢を託したい。
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