武豊とデビュー2連勝を遂げた「大物牝馬」が現役生活にピリオド。「その能力は子供に受け繋いで欲しい」今後はドウデュースとの配合に期待?
2021年の野路菊S(OP)をレコード勝ちしたロン(牝5歳、栗東・石橋守厩舎)が屈腱炎を再発。現役引退し繁殖入りすることが所有するキーファーズの公式サイト『キーファーズサロン』で発表された。
種牡馬シルバーステートの初年度産駒であるロンは、21年8月のデビュー戦を3馬身半差で快勝。レース後には騎乗した武豊騎手も「少しゴーサインを出しただけでスッと動いてくれた。楽しみな馬です」と、その走りと将来性を高く評価していた。
続く2戦目、翌月に行われた中京・芝2000mの野路菊Sも好位からあっさり抜け出し、後続を4馬身突き放す圧勝劇。この時期に牝馬が牡馬相手に芝・中距離のオープンクラスを勝利するのは、芝1800mのアイビーS(当時OP)を優勝し後にG1を複数制するクロノジェネシスやソウルスターリングと同じ。ロンにも今後の出世が大いに期待されたのも当然だろう。
しかし、暮れの阪神ジュベナイルF(G1)を状態が整わずに回避すると、屈腱炎を発症……。約1年3ヶ月の休養を経て復帰したものの3戦して白星を挙げることができず、先述の通り再度の屈腱炎を患い引退することとなった。
「前走後にはノドにも問題があることが分かったため、手術を行っていたそうですね。2歳時の走りを見れば潜在能力の高さは疑いようがありませんでしたが、不運が続いたことにより全能力を発揮できずに引退となってしまうことは残念な限りです。
ちなみに屈腱炎の再発、わずかキャリア5戦での引退は、『未完の大器』と言われている父シルバーステートと奇しくも同じとなりました」(競馬誌ライター)
今後の交配相手として期待されるのはドウデュースか
残念ながら志半ばでターフから退くこととなるロンだが、キーファーズサロンには「その能力は子供に受け繋いで欲しいと思います」と綴られている。叶わなかったクラシック出走やG1制覇の夢は産駒たちに託したいところだ。
なお今後、ロンの交配相手として期待されるのは、やはりドウデュースだろうか。
ロンとドウデュースは同世代であり、同じキーファーズ・松島正昭オーナーの所有馬。主戦の武豊騎手と2頭ともにデビュー2連勝を飾り、翌年のクラシックでの活躍を期待する声も多くあった。ドウデュースはご存知の通りダービーを勝利。ロンは残念ながら故障してしまったものの、無事であればレジェンドとのコンビで牝馬三冠レースを大いに盛り上げたことは想像に難くない。
そんな2頭の組み合わせが実現し、産駒が両親と同じくキーファーズの所有馬、あるいは松島氏が設立した一口馬主クラブであるインゼルレーシングからデビューすれば注目の1頭となることは間違いない。実際にSNSやネット掲示板には早くも「将来ドウデュースとの子供が見たい」「ドウデュースとの配合で夢を見せて欲しい」といった声も寄せられている。
ドウデュースは昨年末に有馬記念(G1)を勝利し、今年も現役続行。そのためまだまだ先の話にはなりそうだが、一足先に引退となるロンにはこれまでの現役生活、本当にお疲れさまでしたと言いたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
【根岸S予想】先週は「W的中」決めたよ!おうまさんに会いに東京競馬場までいくぞ~、好調な「馬連ボックス」で勝負♡【UMAJOモモのオイシイ競馬】
「レベル低下」嘆かれるフェブラリーSに芝から続々と参戦名乗り…芝マイルチャンプの「ダート挑戦」は復活の起爆剤となるか
凱旋門賞でオルフェーヴルを撃破したO.ペリエの衝撃!C.ルメール、M.デムーロらに道を切り拓いた名手の華やかな足跡【競馬クロニクル 第40回】
岩田望来や団野大成も経験した苦い記憶…「夜の小倉開催」が本業に悪影響?定年間近の師匠を裏切った若手騎手に醜聞
関東の若手が「出稼ぎ先」で予想外の受難!? ライバルが710万馬券演出の裏で…昨年ブレイクの注目株も未だ1勝の大苦戦