
【サウジC(G1)展望】今年は馬券も発売!異国の地で実現した「レモンポップVSウシュバテソーロ」…1着賞金は15億円!

24日、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場ではサウジカップデーが行われる。同日の6つの重賞レースには、日本から20頭以上が出走を予定。最大の注目は唯一のG1で、1着賞金が1000万ドル(約15億円)に上るサウジC(G1)だ。
昨年はパンサラッサが逃げ切って1000万ドルを獲得。今年は同レースの馬券発売も決まり、関係者だけでなくファンの真剣度も過去イチとなるのは間違いないだろう。
そんなサウジCに出走する日本馬は計5頭いるが、やはり最初に取り上げたいのは、昨年のフェブラリーS(G1)とチャンピオンズC(G1)を制したレモンポップ(牡6歳、美浦・田中博康厩舎)だ。
JRA最優秀ダートホースに選出された昨年は、5戦4勝の成績を残したレモンポップ。唯一の敗戦を喫したのが自身初の海外遠征となった3月のドバイゴールデンシャヒーン(G1)だった。
同レースでは国内オッズで堂々の1番人気に支持されたが、フェブラリーSから一気に2ハロン距離短縮の影響もあってか、行き脚悪く10着と惨敗を喫した。
しかし秋は南部杯(G1)を大差勝ちして改めて能力の高さを証明。続くチャンピオンズCは距離不安が囁かれたが、後続を寄せ付けない逃げ切りでG1・3勝目を挙げた。
今回は引き続き1800mのレースにはなるが、コーナーが2つしかないワンターンのコースなら前走以上に競馬はしやすいはず。昨年のパンサラッサに続く逃亡劇に期待が懸かる。
距離短縮がポイントとなるウシュバテソーロ
1400~1600mがベストとされるレモンポップに対して、2000m以上の距離で結果を残してきたのがウシュバテソーロ(牡7歳、美浦・高木登厩舎)だ。
ダート転向後は10戦8勝の成績を残しており、そのうちの4つがG1タイトル。昨年末の東京大賞典(G1)で連覇を達成し、当初は連覇がかかるドバイワールドC(G1)に直行予定だった。
ところが先月中旬にサウジCを挟むことが決まり、レモンポップとの初対決が実現した。マイラー気質のレモンポップとは対照的に、ウシュバテソーロは距離短縮に一抹の不安を抱えるが、同距離の日本テレビ盃(G2)を完勝しており、難なく克服する可能性は十分あるだろう。
今回も川田将雅騎手を背に自慢の豪脚が炸裂するか。逃げ先行馬がそろい、ハイペースも予想されるだけに、鞍上の仕掛けるタイミングにも注目が集まる。

現地オッズで、レモンポップとウシュバテソーロを上回る人気を集めているのがデルマソトガケ(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。
いわゆる“2強”に比べて国内での注目度はそれほど高くない。その理由は、22年12月の全日本2歳優駿(G1)を勝ったのを最後に、1年以上も海外を転戦していたからに他ならない。
3歳初戦のサウジダービー(G3)こそ松若風馬騎手を背に3着に敗れたが、日本馬の中では最先着と健闘。続くUAEダービー(G2)でC.ルメール騎手に乗り替わると、日本馬が4着までを独占する中、海外重賞初制覇を遂げた。
その後はアメリカに転戦して、ケンタッキーダービー(G1)にも挑戦。ここでも大健闘といえる6着に善戦してみせた。秋は6か月の休み明けで臨んだブリーダーズCクラシック(G1)で古馬に初挑戦すると、見事に2着に入り、ウシュバテソーロにも先着している。
キングアブドゥルアジーズ競馬場の砂を経験している強みを生かせれば、あっさり2強を撃破するシーンが見られるかもしれない。
メイショウハリオも侮れない存在
レモンポップ、ウシュバテソーロ、そしてデルマソトガケの3頭が国内、国外それぞれで上位人気に推されるだろう。ただし、ウシュバテソーロと同世代のメイショウハリオ(牡7歳、栗東・岡田稲男厩舎)も侮れない存在だ。
22年と翌年の帝王賞(G1)を連覇したほか、23年かしわ記念(G1)を制しており、G1・3勝はレモンポップと同数。近2走はJBCクラシック(G1)で4着、チャンピオンズCで5着に敗れているが、どちらも上がり3ハロンはメンバー2位をマークしており、鋭い末脚は健在。先行馬がやり合う形になれば、直線一気で世界を驚かせてもおかしくないだろう。
5頭目の日本馬は日本国内のG1で2着3回の善戦マン、クラウンプライド(牡5歳、栗東・新谷功一厩舎)。国内ではなかなか勝ち切れていないが、実は海外でUAEダービーとコリアC(G3)を勝っている。自慢の先行力で“外弁慶”ぶりを発揮できるか。欲しいのはG1タイトルだけだ。
大手ブックメーカー『bet365』の1番人気は…
18日現在、海外の大手ブックメーカー『bet365』で、3.75倍の1番人気に推されているのは、昨秋のブリーダーズCクラシックでデルマソトガケを破ったホワイトアバリオ(牡5歳、米・R.ダトローJr.厩舎)。米国馬らしいスピードと持続力を武器にG1を2連勝中と勢いもある。
ウシュバテソーロと並ぶ7.5倍の4番人気に支持されているナショナルトレジャー(牡4歳、米・B.バファート厩舎)は、昨年5月のプリークネスS(G1)を勝った後やや苦戦していたが、先月のペガサスワールドC(G1)を勝利。上り調子で大一番を迎えることができそうだ。
日本馬5頭にとって手強い存在となる米国の2頭だが、どちらも今回が初の海外遠征。海外経験が豊富な日本馬にも十分チャンスがあるのではないだろうか。発走は日本時間24日の26時40分を予定している。
【bet365の単勝オッズ(18日現在)】
3.75 ホワイトアバリオ
5.50 デルマソトガケ
6.50 レモンポップ
7.50 ウシュバテソーロ
7.50 ナショナルトレジャー
(中略)
17.00 メイショウハリオ
23.00 クラウンプライド
(後略)
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