桜花賞(G1)2歳女王アスコリピチェーノに暗雲!? 落馬復帰の北村宏司「炎の4番勝負」まさかの最下位スタート…
9日、中山競馬場で行われた中山牝馬S(G3)は、5番人気のコンクシェルが勝利。期待されたヒップホップソウル(牝4歳、美浦・木村哲也厩舎)は、2番人気に推されながらも、まさかの最下位16着に終わってしまった。
フラワーC(G3)、紫苑S(G2)と中山の重賞で2度の2着があるヒップホップソウルにとって今回は絶好の舞台に思われたが、好位につけたものの3コーナーで早々に後退……。ほぼ見せ場なしという敗戦に、鞍上の北村宏司騎手も「バテたというよりは、脚を取られたという感じの負け方でした」とお手上げの様子だった。
だが、下を向いている場合ではない。何故なら、この43歳の大ベテランにとって復権を懸けた「4番勝負」は、まだ幕を開けたばかりだからだ。
昨年、度重なる落馬負傷を乗り越え、新潟2歳S(G3)で約5年ぶりの重賞制覇を飾った北村宏騎手。全国の競馬ファンに復活を印象付けると、その翌週にも新潟記念(G3)を勝利。12月には阪神ジュベナイルF(G1)を勝ち、キタサンブラックの菊花賞(G1)以来、約8年ぶりのG1制覇を果たした。
まさに「北村宏司、ここにあり」を告げた2023年だったが、今年の年明けにまたも落馬負傷……。右鎖骨骨折を乗り越えて戦列に復帰したのが、この日だった。
「ここまで計画通りにきている」と本人が話している通り、中山牝馬Sこそ残念な結果に終わったが、5Rで2着するなど健在ぶりをアピール。身体に問題がない以上、求められるのは「結果」に他ならない。復帰早々になるが、ここから1か月間は北村宏騎手の今後を占う上でも非常に大事な期間になるはずだ。
ヒップホップソウルの中山牝馬Sに続く「4番勝負」第2戦は、16日のファルコンS(G3)に出走するシュトラウス(牡3歳、美浦・武井亮厩舎)だ。
昨秋、出世レースとして有名な東京スポーツ杯2歳S(G2)を勝ったシュトラウス。しかしT.マーカンド騎手とコンビを組んだ前走の朝日杯フューチュリティS(G1)ではスタートで遅れながらも、ハナを切るチグハグなレースで10着に大敗。2番人気を裏切ってしまった。当然、これが本来の走りでないことは明らかで、テン乗りになる北村宏騎手の手腕が問われる。
続く「4番勝負」第3戦は、2歳女王アスコリピチェーノ(牝3歳、美浦・黒岩陽一厩舎)と挑む桜花賞(G1)だ。
初コンビを組んだ昨夏の新潟2歳Sで勝利を挙げると、2歳女王決定戦となる阪神JFも勝利。アスコリピチェーノは、北村宏騎手にとっても復活の象徴といえる存在だ。桜花賞にはぶっつけ本番となるが、落馬負傷でどの道乗ることができなかった北村宏騎手にとっては不幸中の幸いといえるだろう。「4番勝負」の中でも、最も大事な一戦になる。
桜花賞の翌週に行われるアーリントンC(G3)には、ポッドテオ(牡3歳、美浦・畠山吉宏厩舎)と参戦する。これが「4番勝負」の第4戦だ。
通算8戦2勝と目立った戦績ではないが、3着以内率100%という堅実派。相手なりに走る本来の能力を発揮できれば、NHKマイルC(G1)の優先出走権も見えてくる。場合によっては、すでにシュトラウスとのコンビでNHKマイルC参戦ということになっているかもしれないが、こちらも捨てがたい好素材だ。
これまでの実績や昨年の復活が示す通り、本来の実力さえ発揮できればトップジョッキーにも引けを取らない北村宏騎手。離脱の影響で今年まだ1勝止まりと存在感が消えかかっているだけに、春の大舞台で猛アピールしたいところだ。
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