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「記録ばかり伸びてしまって…」悪夢の“97連敗スタート”は過去の話! 確かな「進化」を遂げた岩田望来に期待される中央G1初制覇

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岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I

 9日の中山牝馬S(G3)は5番人気コンクシェル(牝4歳、栗東・清水久詞厩舎)が逃げ切って優勝。条件戦からの2連勝で待望の初重賞勝利を飾った。

「スタートが良いですし、二の脚がつかないので、気合いをつけて今日はハナに行く選択をしました」「なんとか最後は踏ん張り切ってくれました」とレース後にコンクシェルの走りを褒め称えたのが、手綱を取っていた岩田望来騎手だ。

 これが関東圏(東京・中山)での初重賞勝利となった同騎手はデビュー6年目、弱冠23歳ながら先週終了時点ですでにJRA通算438勝をマーク。今年も21勝を挙げ全国リーディング5位をキープしているトップジョッキーの1人である。

 ただ、デビューからしばらく重賞を勝てなかったことを覚えているファンもまだ少なくないだろう。

 ルーキーイヤーから37勝をマークしJRA新人騎手特別賞を受賞。2年目で早くも通算100勝を達成するなど、順風満帆といえるキャリアのスタートを切った岩田望騎手。だがその一方、重賞では初騎乗から2年以上も勝ち星に恵まれず、実に97連敗を喫していたのである。

 その間、同期の団野大成騎手や斎藤新騎手、菅原明良騎手などが次々と重賞タイトルを手にしていたこともあってだろう、藤岡佑介騎手がホスト役を務める『netkeiba.com』の対談企画『with佑』の中で岩田望騎手は「重賞、勝ちたいです。連敗記録ばかりが伸びてしまって……」と複雑な心境も吐露していた。

悪夢の“97連敗スタート”ももはや過去の話

 そんな中、98回目の重賞挑戦となった一昨年2月の京都牝馬S(G3)をロータスランドで勝利し、待望の初タイトルを獲得。「すごくホッとしています。今回のレースはこれまでのどのレースよりも、最後の直線が長く感じました」と、レース後には安堵の言葉を残したのも当然だろう。

 この初重賞勝利をきっかけに肩の力が抜けたのかもしれない。そこから2年と少々しか経っていないが、今回のコンクシェルで重賞8勝目。なかなか勝利を挙げられずに苦戦していた頃の面影はほとんど見られなくなったと言っていい。

「実は関東圏での重賞は51連敗を喫していた岩田望騎手でしたが、コンクシェルでの勝利をきっかけに今後は東京・中山でも白星を積み重ねていきそうですね。

昨夏には武豊騎手からも『上手いと思う若手騎手』として坂井瑠星騎手、横山武史騎手と並び名前を挙げられており、その才能は折り紙つき。関東での重賞でも結果を残したことで、いよいよ中央でのG1初制覇も期待されます」(競馬誌ライター)

 岩田望騎手は交流重賞もすでに4勝をマークしており、一昨年のJBCレディスクラシック(G1)をヴァレーデラルナとのコンビで制しているが、中央のG1タイトルにはまだ手が届いていない。

 もはや重賞でも普通に勝ち負けできる騎手となった岩田望騎手。次は悲願の中央ビッグタイトルをいつ獲得するか注目だ。

GJ 編集部

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