【阪神大賞典(G2)】ブローザホーン「初の3000m戦も対応できると思います」サヴォーナ「実績馬と比べて斤量の恩恵もある」ディープボンド「今年こそは何とかG1レースを取りたいので、いい走りを」出走馬陣営たちの耳寄り情報
17日、阪神競馬場の芝3000mで行われる阪神大賞典(G2)に、天皇賞・春(G1)に向けて今年も長距離実績のある馬が集結した。
過去10年すべて3番人気内の馬が勝利する堅い一戦として知られるが、今年は抜けた存在がいないため混戦模様になると見られている。
そんな一戦で上位を狙う陣営の情報が編集部に届けられた。今回はその一部を紹介しよう。
ブローザホーン(牡5歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)は重賞連勝を狙う。
昨年の京都大賞典(G2)では菅原明良騎手と2度目のコンビを組み出走。重賞ウイナーたちが顔を揃えたハイレベルな一戦で2番人気に支持された。だがレース中に心房細動を発症し、最後の直線で無念の競走中止となった。
レース後、休養に入ってから今年は日経新春杯(G2)に向かう。道中、中団で脚を溜めると、3角過ぎから進出開始。最後の直線で、上がり最速の末脚を繰り出して見事に重賞初制覇を達成した。
「管理していた中野栄治調教師が引退するため、栗東の吉岡厩舎に転厩しました。ここが転厩初戦となりますが、いい状態を維持できているようです。
420kg台でも出走する小柄な馬ですが、心肺機能はピカイチ。さらに乗り手に従順で掛かるような面もなく、今回が初めての3000m戦となるものの『対応できると思います』とスタッフも距離は問題にしていませんでした。『菅原明騎手は、これまで何度も乗っているので、乗り方は任せます』と、鞍上にも全幅の信頼を置いていましたよ」(栗東関係者・B)
以前、管理していた中野調教師も「古馬になってから良くなる」と常々話していたという。充実期を迎えているブローザホーンに死角はない!?
早くから長距離適性を見せているサヴォーナ(牡4歳、栗東・中竹和也厩舎)は、そろそろタイトルがほしいところ。
昨年の秋は神戸新聞杯(G2)で2着、菊花賞(G1)でも5着と、中長距離で頭角を現していた。今年は日経新春杯から始動して2着。先に行く馬を見る形で運ばれ、直線では内から伸びるも、外から迫ってきたブローザホーンとの追い比べに敗れた。
「古馬になってから、しっかりと体を使って走れるようになっています。いい感じの成長曲線を描いていますね。
池添謙一騎手も乗り慣れているので、クセなどもしっかり把握しているようです。実はサヴォーナはスタートが速くないタイプ。だから後手に回りそうなものなのですが、操縦性に優れていることを池添騎手もわかっているので早くリカバリーができるんです。前回もきれいに乗ってくれましたよ。
菊花賞の内容からも距離は問題ないはず。スタッフも『実績馬と比べて斤量の恩恵もあります。これから大きいところを目指すためにも、ここで重賞を勝っておきたい』と強気でした」(栗東関係者・A)
重賞初制覇、なるか。
阪神大賞典を2度勝っているディープボンド(牡7歳、栗東・大久保龍志厩舎)は3度目の優勝を狙う。
昨年は3連覇を期待され、3番人気に支持されるも5着。その後、天皇賞・春(G1)では2着と存在感を示すも、宝塚記念(G1)5着、京都大賞典(G2)3着と中距離で掲示板を確保したが、近2走はジャパンC(G1)10着、有馬記念(G1)15着とイマイチな成績が続いている。
「有馬記念後は放牧に出されたので、リフレッシュして挑めそうです。今回は今年初出走となりますが、得意の距離で、実績もあるレース。スタッフも『まだ衰えはありません。これまでG1には14回挑戦して4回2着。今年こそは何とかG1レースを取りたいと思っていますので、いい走りを期待しています』と期待を寄せていましたよ」(栗東関係者・C)
悲願のG1勝利に向けて、幸先のいいスタートを切ることができるか。
トップジョッキーとなった川田将雅騎手とコンビを組むワープスピード(牡5歳、美浦・高木登厩舎)。
昨秋、古都S(3勝クラス)を勝利し、OP入りを果たす。その後は長距離重賞であるステイヤーズS(G2)4着、ダイヤモンドS(G3)3着と、堅実な成績を残している。
「2走前は消極的で、前走はスタート後に寄られた事でポジションが後ろになってしまったことが敗因。小脚の使えるタイプではなく、ジワジワと脚を使うだけに、もう少し前の位置で運ぶ形が理想のようです。今回、騎乗する川田騎手は『ある程度の位置で運んでくれるので、その点の心配はない』とスタッフも期待していましたよ。
コース的には東京より阪神の内回りの方が合っているでしょうね。ここ2戦負けている馬もいますが、ここでも大崩れはしないでしょう」(美浦関係者・D)
ここで真価を発揮するか。
混迷と言われる長距離戦を制するのはどの陣営になるのか。発走は15時35分を予定している。
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