【大阪杯】ノーザンファームの「締め出し作戦」が大成功?フルゲート16頭に11頭の大攻勢…「幻の1番人気候補」が無念の門前払い
2017年にG1昇格を果たした大阪杯(G1)だが、初年度に優勝したキタサンブラック以外は、現役最強馬に相応しいとは言い難い馬もいた。今年の出走メンバーに関しても、本来なら主力を形成してもおかしくない4歳世代が低調で、ネットの掲示板やSNSなどでは「まるでG2」「ドバイに全部持っていかれた」「そろそろ開催時期を見直した方が……」と存在意義を心配する声も見られる。
一部のファンからレースレベルの低下を危惧する声が出る理由として、真っ先に思い浮かぶのは、同時期に開催されるドバイワールドカップデーの存在である。今年もドウデュースやリバティアイランドをはじめ、トップクラスの馬が複数遠征するため、例年以上に小粒なメンバーとなりそうだ。
苦戦が続く4歳世代のニュースターに注目が集まったが……
ただ、そんな顔触れが揃った中でもニューヒーローとして大きな注目を集めたのが、現在2連勝中のロードデルレイ(牡4、栗東・中内田充正厩舎)である。
本馬はデビューからここまでの成績は6戦5勝。出走したレースすべてで上がり3ハロン33秒台の切れ味を披露している逸材だ。自身初の重賞挑戦となった昨年の神戸新聞杯(G2)で4着に敗れはしたものの、クラシックで上位を争った馬たちと遜色ない実力を証明した。
2走前からコンビを組んだ川田将雅騎手との相性も良く、ウェルカムS(3勝クラス)と白富士S(L)を危なげのない競馬で快勝。一線級が不在の大阪杯なら勝ち負けを期待されたのも無理はない。
しかし、高いポテンシャルを評価する陣営が大事に使ってきたこともあり、G1に出走するためには賞金不足の現実も立ちはだかった。
フルゲート16頭の大阪杯でロードデルレイの出走馬決定順は、20頭中の17番目というボーダーライン。賞金上位の馬が1頭回避してくれなければ、晴れ舞台に参戦が叶わないという危機に直面した。滑り込みで出走が叶えば、1番人気に支持されても不思議ではなかったが、残念ながら28日の出馬確定に本馬の名前はなし。結果的に“幻の1番人気”となってしまった。
「有力馬の1頭だっただけにロードデルレイの除外は残念でしたね。その一方で、ノーザンファームの生産馬は12頭もエントリー。モリアーナはロードデルレイより下の18番目でしたが、残りの11頭はすべて出走に漕ぎつけました。結果的に『締め出し作戦』のような形になってしまいましたが、各馬オーナーが異なるので、それぞれの陣営がベストを尽くした結果。ただレースだけでなく、こういったところでも弱肉強食とは……改めて厳しい世界だと思いました。
SNSなどでも、今回の除外を残念に思っている声は結構見かけましたが、責任を突き詰めればボーダーを超える賞金を加算できなかったロードデルレイと言わざるを得ませんし、陣営も無念でしょうが、見通しが甘かったということになってしまいます」(競馬記者)
G1でもはや恒例となったノーザンファームの運動会
記者がそう話した通り、最終的に今年の大阪杯で出走馬16頭中11頭がノーザンファームの生産馬だったため、G1でもはや恒例となった“ノーザンファームの運動会”といったところか。
ロードデルレイの陣営としては無念の門前払いとなってしまったが、次走以降でしっかりと賞金を上乗せすることに成功すれば、今回のような不戦敗も避けられるはずだ。本馬のG1制覇を期待していた一部のファンから恨み節が出たのも、それだけロードデルレイに期待していたということだろう。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
【大阪杯】エフフォーリア、タイトルホルダー引退でも最強世代に存在感!1週前追い切りから豪快リハ…酒井学ステラヴェローチェに絶好チャンス
大阪杯は最強5歳世代に注目!イクイノックス、ドウデュース、アスクビクターモア、ジャスティンパレスを【完封】したジオグリフに復活の予感!
「G1馬5頭」でも盛り上がりを欠く今年の大阪杯…ドウデュース、リバティアイランド登場も国内は閑古鳥…いよいよ「最弱世代」疑惑は確信レベル?
【大阪杯】「キズナVSエピファネイア」いまだに“腑に落ちない”両雄の激突から10年…今年の頭はイクイノックスに勝利したあの馬?【東大式必勝馬券予想】
【結果発表】最注目は武豊とドウデュースの最強コンビ!若手やベテランにも応援コメント続々…今週末はドバイと大阪杯も開催【読者アンケート】