【桜花賞(G1)直前現場マル秘情報】アスコリピチェーノ、チェルヴィニア黄色信号点滅!? ステレンボッシュ「コース相性はいい」クイーンズウォーク「スローの展開ならば」スウィープフィート「口向きの悪さは改善傾向」コラソンビート「確実に上向いてパワーアップ」
7日(日)、阪神競馬場で3歳牝馬クラシックの第1弾、桜花賞(G1)が開催される。
下馬評では、阪神ジュベナイルF(G1)を無傷の3連勝で制した2歳女王アスコリピチェーノ(牝3歳、美浦・黒岩陽一厩舎)とアルテミスS(G3)を勝利し、高い素質が評価されているチェルヴィニア(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)の一騎打ちとも目されていた。
だが、アスコリピチェーノは2月下旬に熱発。帰厩が2週間ほど延期されるなど、順調とは言い難い中間を過ごした。陣営はその後、調整は問題なく進んだことを強調し、「馬体もひと回り大きくなった」と万全を強調しているが、全幅の信頼を寄せるまでにはあと一歩至らない。
もう一方のチェルヴィニアは、主戦のC.ルメール騎手がドバイワールドカップデーで落馬負傷するというアクシデントが発生。B.ムルザバエフ騎手に乗り替わることとなった。
関係者は、「この世代では能力上位の存在。操縦性も高いのでテン乗りでも問題ない」と明かし、「先々は海外も視野に入っている。この春は何としても結果を出さなければならない」と強気な姿勢は崩さないが、こちらも突発的に浮上した不安要素を拭えないでいる。
今年の桜花賞は、有力視されていた2頭が順調さを欠いたこともあり、開始前から不穏な空気が漂っているようだ。そのためか、出走馬を抱える陣営はいつも以上にピリピリムードが強い。そんな中、現場から編集部にもたらされた情報の一部をお届けしよう。
短期免許で来日するたび、卓越した成績を残しているJ.モレイラ騎手。この優勝請負人とでもいうべき名手を鞍上に迎えたのはステレンボッシュ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
昨年、赤松賞(1勝クラス)を勝利し、暮れの阪神JFに挑戦した。控えて後ろから運ばれると、最後の直線で先を行くコラソンビートを交わして、アスコリピチェーノに迫ったもののクビ差届かず2着に終わっている。
「前走の阪神JFでは、最後の直線で進路を求めて外に出されたものの、すぐ前にいたのが勝ち馬。なんとか交わそうとしましたが、惜しくも届きませんでした。位置取りの差が勝敗を分けましたね。ただ、その中でもあそこまで迫ったのですから、能力の高さは証明されています。
今回も阪神JF同様に、本番の前から栗東に滞在。2回目ということもあり、環境の変化で戸惑うこともなかったようです。国枝師も『今回は前回と同じ舞台。コース相性はいいです』と期待していましたよ」(美浦関係者・A)
前回のリベンジを果たし、桜の女王となることができるか。
虎視眈々と牝馬クラシック1冠を狙うクイーンズウォーク(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)の前には距離適性の壁が立ち塞がる。
前走のクイーンC(G3)を快勝。後方待機から最後の直線で先頭に立つと、上がり最速となる33秒4の末脚で重賞初制覇を達成した。
「位置取りは後ろになりましたが、馬のリズムを守って中身のある内容でした。ただ、これはあくまで『先を見越した競馬だった』と言われています。実は主戦の川田将雅騎手は同馬について、デビュー前から『オークス向き』と話していたようなんです。
それでも勝って賞金を加算できたのはプラス材料。ゆとりのあるローテを組めたので、いい状態で桜花賞に挑めます。ただスタッフは、『スローの展開ならば五分だと思いますが、もし流れが速くなると……』と苦い顔をしていました。ポテンシャルは高いので、それでカバーしてほしいと願っているようでした」(栗東関係者・A)
真価を発揮するには、もう少し距離が必要か。
武豊騎手とのコンビで挑戦するスウィープフィート(牝3歳、栗東・庄野靖志厩舎)。
デビュー戦から永島まなみ騎手が鞍上を務めるも、前走のチューリップ賞(G2)から武豊騎手にスイッチ。鞍上を託されたベテランはスタートこそやや遅れたものの、最後の直線で大外からスウィープフィートの末脚を炸裂させて、優先出走権を掴み取っている。
「以前から指摘されていた口向きの悪さは改善傾向にあるものの、まだゲートの課題は残っていますね。前走は武豊騎手が上手く乗って、持ち味の決め手を生かしてくれたので勝利に繋がりました。
ただチューリップ賞を勝ったものの、レベルが疑問視されています。負かした2、3着馬を見ても一枚落ちの感が否めませんからね。今回は阪神JFでスウィープフィートに先着した馬たちが多く出てきます。好走するには色々な条件面が噛み合わないと厳しいかもしれません」(栗東関係者・B)
鞍上はユタカマジックで相棒を勝利に導けるか。
前走のフィリーズレビュー(G2)で2着に終わったコラソンビート(牝3歳、美浦・加藤士津八厩舎)だが、陣営の鼻息は荒い。
京王杯2歳S(G2)を勝利し、阪神JFでも3着。これらの実績も重視され、今年の始動戦となったフィリーズレビューでは圧倒的1番人気に支持される。だが、中団で運ばれたレースでは最後の直線で内から伸びるも、逃げたエトヴプレを交わせず2着。クラシック制覇に向け、黄色信号が点滅している。
「前走は先を見据えての調整だったので、最後のもうひと伸びを欠きましたね。ただ後ろの馬には交わされていませんし、レースぶりを含めて形としては良かったと思います。調教助手も『状態も確実に上向いてパワーアップしている。落ち着いて臨めれば楽しみ』と語っていましたよ」(美浦関係者・B)
叩き2戦目となるここで本領発揮したいところだ。
2連勝のイフェイオン(牝3歳、栗東・杉山佳明厩舎)は高いポテンシャルを秘めた1頭だ。
未勝利戦(芝1600m)を勝利し、フェアリーS(G3)に挑戦。5番人気だったものの、好スタートを決めると鞍上の西村淳也騎手の手腕が光り、好スタートからロス無く運べるポジションをゲット。4角で外に出されると最後の直線で猛然と進出し、ライバルたちとの追い比べを制した。
「フェアリーSでは、抜け出してもソラを使うことなく、勝負根性があるところを見せてくれました。西村淳騎手も『(2戦目に続き)フェアリーSも自信がありましたし、最後はいい根性を見せてくれました』と明かしています。まだ若さを見せることがありますけども、『芯が入れば、かなりいい馬になる』とその素質の高さを評価していましたね」(栗東関係者・C)
上位進出も十分に期待できる逸材だ。
阪神JFで4番人気ながら10着と大敗したキャットファイト(牝3歳、美浦・上原博之厩舎)は巻き返しを狙う。
今年はフェアリーSからスタート。ここでも2番人気に支持されるも6着と期待を裏切ったが、次走のアネモネS(L)で久しぶりの優勝。最内枠からロスのない形で運ばれ、最後の直線でも内ラチ沿いから先頭へ。ライバルたちの追撃をしのぎきって勝利を飾っている。
「阪神JFについて上原博師は『決して力負けだと思っていません』と強気。あのときは、前日に入厩したことでイレ込みすぎてしまったのが敗因と分析していました。今回はその点を踏まえ、金曜日に輸送されており、『1日余裕を持って調整したので落ち着くと思います』と対策していることを明かしていました」(美浦関係者・C)
前走の内容は文句なし。本来の力を発揮できれば上位陣とも五分に渡り合えるか。
エルフィンS(L)を制した勢いそのまま大舞台に挑んできたライトバック(牝3歳、栗東・茶木太樹厩舎)。
「着実に成長しています。昨年の新馬戦では他馬を気にする繊細な面を見せ、さらに4着に終わったアルテミスSでは、イレ込みや口向きの難しさが露呈しました。でも、ひと息入れた前走ではこれらが改善されていましたね。
今回はペースも流れると思うので、競馬はしやすくなるはず。いい決め手を持っているので、持ち味を生かせる展開になれば一撃もありえますよ」(栗東関係者・D)
例年以上に波乱の気配が漂っている桜花賞。今年、どの馬が桜の女王として歴史に名を刻むのだろうか? 発走は15時40分を予定している。
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