【アンタレスS(G3)展望】砂で新境地ヴィクティファルス「二刀流」完遂へ!? ジェンティルドンナ弟、ディープインパクト「砂の大物候補」も登場予定
阪神ダート1800mに粒ぞろいのメンバー集結
14日、皐月賞(G1)の直前に阪神競馬場で行われるのは古馬ダート重賞のアンタレスS(G3)だ。砂路線に転向して3戦目の6歳馬が注目を浴びそうだ。
ヴィクティファルス(セ6歳、栗東・池添学厩舎)は、3年前の共同通信杯(G3)でエフフォーリアの2着に入ると、続くスプリングS(G2)を制して牡馬三冠にも皆勤した。
3年前の皐月賞で9着に敗れて以降は5着がやっとという成績だったが、昨秋ダート路線に転向。初戦の太秦S(OP)を7番人気で快勝し、新境地を開拓した。
年が明けてダート2戦目は重馬場の東海S(G2)。ハイレベルなメンバーの中で4番人気3着に好走。勝ったウィリアムバローズと2着オメガギネスにはやや離されたものの、ブライアンセンスとの3着争いを振り切り、重賞でも通用するところを見せた。
騎乗した池添謙一騎手が「パサパサの馬場のほうが良かったかもしれません」と振り返ったように、よりパワーを要する乾いた砂が理想か。今回は良馬場なら主役を張っても不思議ではないだろう。
ダート歴が2戦と浅いヴィクティファルスに対して、ハギノアレグリアス(牡7歳、栗東・四位洋文厩舎)は、デビュー2戦目からダートを使われ続けている。
これまで重賞を2勝(2023年名古屋大賞典・G3、同年シリウスS・G3)している実績馬で、昨年は帝王賞(G1)で4着、チャンピオンズC(G1)でも6着と、G1でも上位争いに加わった。
セラフィックコールに次ぐ2番人気に支持されて臨んだのは、前走のダイオライト記念(G2)。チャンピオンズCから一気に600mの距離延長だったが、しっかりと折り合って好位を追走した。
4角2番手から最後の直線で粘り込み態勢に入ったが、伸びを欠いて3着止まり。鞍上の岩田望来騎手が「距離は少し長いように感じた」と振り返ったように、初めての2400mがやや長すぎた印象だ。
今回は3勝している1800mに戻って巻き返しなるか。引き続き岩田望騎手が手綱を握る。
三冠牝馬ジェンティルドンナの弟スレイマン
半姉に三冠牝馬のジェンティルドンナがいる超良血のスレイマン(牡6歳、栗東・池添学厩舎)は、デビューから芝で2連敗を喫し、その後はダート中距離路線を歩んできた。
3歳夏の函館でダート初戦を迎えると、なんと1秒9差の大差勝ち。その後は2着が1度だけあったが4歳1月から5月にかけて自己条件を3連勝してあっという間にオープン入りを果たした。
ダートでの堅実な走りっぷりから重賞制覇も時間の問題とみられたが、オープンクラスで突如低迷。オープン、リステッドでは当初なかなか上位争いにも加われなかった。それでも徐々に着順を上げ、前走の門司S(OP)を4馬身差で勝利し連敗をストップ。1年8か月ぶりの美酒を味わった。
遅れてきた大物候補が6歳にして初めての重賞挑戦を迎える。
ダイシンピスケス(牡6歳、栗東・森秀行厩舎)は、昨年12月から2勝クラス、3勝クラス、そして仁川S(L)と3連勝中。前走はウェルカムニュースやアイコンテーラーといった骨っぽい相手を封じ込めており、4連勝での重賞制覇も夢ではないだろう。
ディープインパクト産駒のダノンマデイラ(牡6歳、栗東・茶木太樹厩舎)は、デビューから芝で惨敗続きだった。ところが3歳の秋にダートに転じると、秘めたる素質を開花。砂では5戦4勝の好成績を残してオープン入りを果たした。
前走の内房S(3勝クラス)は、約1年半ぶりの実戦だったが、中団追走から力強く差し切っての勝利。ディープインパクト晩年の産駒からついにダートの大物候補が誕生するか。前走から一気に相手強化となるここは試金石の一戦となるだろう。
この他には、オメガパフュームの弟ホウオウルーレット(牡5歳、美浦・栗田徹厩舎)、22年の佐賀記念(G3)など地方交流重賞を2勝しているケイアイパープル(牡8歳、栗東・村山明厩舎)、3歳時のユニコーンS(G3)で2着の実績があるサヴァ(牡6歳、栗東・上村洋行厩舎)なども出走を予定している。
二刀流に挑戦中のヴィクティファルスがダート重賞も制するのか、それともダートで実績十分のハギノアレグリアスが重賞3勝目を飾るのか、はたまたここで名前が挙がらなかった伏兵が波乱を起こすのか。レースの発走は14日の15時30分を予定している。
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