GJ > 競馬ニュース > G1・14勝の「名トレーナー」が迎えるラストダービー
NEW

G1・14勝の「名トレーナー」が迎えるラストダービー。7年前には「未完の大器」が1番人気に推されるも涙…「21番人気」G1初制覇の衝撃再現へ

【この記事のキーワード】, ,
東京競馬場
東京競馬場

 今年の日本ダービー(G1)に出走するシックスペンスはここまで無傷の3連勝中ということもあり、当日は優勝候補の1頭として人気を集めることが予想される。同馬を送り出すのは美浦の名伯楽・国枝栄調教師だ。

 JRA通算1000勝以上を誇り、G1も国内外で23勝を挙げている国枝師だが、ここまで牡馬クラシックは未勝利と縁がないことでも知られる。2026年2月に定年を控えており、ダービーに挑めるチャンスはあと2回しかないことから、今年は一層気合の入る一戦となる。

正真正銘ラストのダービーを迎える音無秀孝調教師

日本ダービーに挑むサンライズジパング 撮影:Ruriko.I
日本ダービーに挑むサンライズジパング 撮影:Ruriko.I

 その一方で、今年で正真正銘ラストの日本ダービーとなるトレーナーもいる。サンライズジパングを出走させる栗東の音無秀孝調教師である。

 もともとはジョッキーとして1979年に競馬界デビューを果たした音無師。21番人気の超大穴ノアノハコブネと臨んだ1985年のオークス(G1)で初G1制覇を達成。JRA通算84勝という成績で1993年に騎手を引退、2年後の1995年に厩舎を開業した。

 2006年の高松宮記念(G1)を制したオレハマッテルゼで調教師としてG1初勝利。その後もヴィクトリーやオウケンブルースリ、クリソベリルにピクシーナイトなど芝ダート問わず、短距離から長距離に至るまでG1馬を送り出した。これまでJRAでG1・14勝を含む通算977勝を誇る名トレーナーの1人だ。

 そんな音無師もこれまでダービーには7頭の管理馬を送り込んだものの未勝利。ただ決してチャンスがなかったわけではない。最も栄光に近づいたのはアドミラブル、ダンビュライト、アメリカズカップの3頭出しで臨んだ2017年だった。

アドミラブルは1番人気に推されるも…

 この中で前哨戦の青葉賞(G2)を含め3連勝中だったアドミラブルが、当日は皐月賞組を抑えて1番人気の支持。音無師も戦前から「上手くいけば悲願のダービー制覇もあるかもしれないと思っています」と期待を込めていた。M.デムーロ騎手とのコンビで大外18番枠からスタートすると、道中は後方の外目を追走。最後の直線はメンバー最速の上がり3ハロン33秒3の末脚で追い込むも3着まで。勝ったレイデオロには0秒3差で及ばなかった。

「この年のダービーはマイスタイルが1000m通過63秒2で逃げる超スローの展開。レイデオロと鞍上のC.ルメール騎手は向正面で一気に2番手まで進出しましたが、アドミラブルとデムーロ騎手は中団で我慢したのが勝負の分かれ目でした。レース後には音無先生も『レイデオロが行ったタイミングで行けばよかった』と話していましたね。

またアドミラブルもダービーの後、屈腱炎を発症。復帰は叶わずこのレースがラストランとなってしまった未完の大器でした」(競馬誌ライター)

 あと少しのところで戴冠を逃した17年以来、7年ぶりにして最後のダービーに挑む音無師。送り出すサンライズジパングは前走の皐月賞(G1)で9着に敗れたが、このときは中間に一頓挫あり、予定していた弥生賞ディープインパクト記念(G2)を回避する誤算があった。

 悔しい結果となった一冠目に対し、今回は状態が確実にアップしている。最終追い切りは栗東坂路で行われ、馬なりで古馬に1馬身半の先着。師も「前回はあまりいい状態でなかった。今回は走り方からして違う」とデキに太鼓判を押している。

 当日は伏兵評価が予想されるものの、侮れない1頭となりそう。ノアノハコブネのオークスから39年、音無師がホースマン人生最後のダービーで再び衝撃を起こすか。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

G1・14勝の「名トレーナー」が迎えるラストダービー。7年前には「未完の大器」が1番人気に推されるも涙…「21番人気」G1初制覇の衝撃再現へのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
  2. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  3. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  4. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  5. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  6. 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
  7. 「オグリキャップ負けた」が話題となった宝塚記念…悲運の鞍上は武豊と同世代、勝ち馬の騎手は後に競馬界から追放のショック【競馬クロニクル 第60回】
  8. ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
  9. 武豊の次に「上手い」のはアキヤマ!?「世界No.1」のR.ムーア騎手が「上手な日本人騎手」として武豊騎手の次に挙げた”意外”な名前
  10. JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……