「あまり信用されていない」武豊…「指示無視」常習M.デムーロに代打!? 日本ダービー(G1)でカギ握る18歳と21歳のホープ2人
26日、東京競馬場では日本ダービー(G1)が行われる。ホースマンであれば誰もが目標に掲げる大舞台でいよいよ3歳世代の頂点が決まる。
「何回乗っても何回勝っても、ダービーに対する思いは濃いまま。我々ホースマンにとっての夢のレースですから、今年も全力で向かいます」
ダービーを4日後に控えた今週水曜日、自身の公式ホームページにそう思いを綴ったのはダービー6勝の実績を誇る武豊騎手だ。
今年が35回目の騎乗となる武騎手がコンビを組むのは、前哨戦の青葉賞(G2)を制したシュガークン(牡3歳、栗東・清水久詞厩舎)。名馬キタサンブラックの弟として、兄が成し遂げられなかったダービーのタイトル獲得に臨む。
15日の1週前追い切りに跨った武騎手は「ほんと動きは良かったです」とシュガークンの状態面に言及。「いろんな競馬場で、いろんな競馬ができる馬。展開に応じての器用さもある」と同馬の強みを強調していた。
そして迎えた22日の最終追い切りは、坂路単走で4ハロン55秒6-1ハロン13秒6をマーク。ラストはやや時計を要した印象だが、フットワーク自体は軽快だった。
2月からすでに4戦を消化し、前走の青葉賞から中3週、そして再度の長距離輸送という臨戦過程を踏まえれば、納得の状態に仕上がったといえそうだ。
最終追い切りを見届けた清水久師も「今週は輸送もあるのでスイッチを入れたくなかった。単走でサッと上がるだけ。申し分ない状態」と手応えを感じ取っている様子。
日本ダービー(G1)でカギ握る18歳と21歳のホープ2人
そんなシュガークンの最終追い切りに跨ったのは、武騎手ではなく、清水久厩舎に所属するルーキー18歳の吉村誠之助騎手だった。
吉村騎手といえば、兵庫のリーディングジョッキー、吉村智洋騎手を父に持つ競馬界のサラブレッド。今年3月にデビューを果たし、先週末までに6勝を挙げている。そんなルーキーがダービーで有力視される良血馬の最終追い切りを任されたというわけだ。
「1週前の時点でほぼ仕上がっているため、最終追い切りは息を整える程度。とはいえ、その微妙なさじ加減はベテランの調教助手でも決して簡単ではないはずです。吉村騎手はこれまでも何度かシュガークンの追い切りに跨っていたので、清水久師も信頼しているのでしょう」(競馬誌ライター)
最終追い切りに跨らなかった武騎手だが、実は以前から調教にはあまり声が掛からないことを明かしている。実際に先日放送された『ウイニング競馬』(テレビ東京)のインタビューで、「あまり調教を信用されていない」「調教は指示通り乗れない方なので」と自虐ネタを披露していたほどだ。
つまり、“調教下手”の武騎手に代わって、吉村騎手が最終追い切りに跨る重要な役割を任されたといってもいいかもしれない。
そして、今年のダービーではもう一人の若手騎手も重大な任務を担っていた。
それがコスモキュランダ(牡3歳、美浦・加藤士津八厩舎)の最終追い切りだけでなく、1週前追い切りにも騎乗した2年目、21歳の小林勝太騎手である。
小林勝騎手はルーキーイヤーの昨年に12勝をマーク。今年も先週末時点で同じ12勝と着実な成長を見せている。同じ美浦の小野次郎厩舎に所属しているが、皐月賞(G1)2着馬の追い切りに2週連続で跨るという異例の大抜擢を受けた形だ。
そんなコスモキュランダに本番ダービーで騎乗するのは、弥生賞ディープインパクト記念(G2)以来2度目のコンビとなるM.デムーロ騎手。弥生賞の時も含めて、追い切りには一度も跨らずに大一番を迎えることになりそうだ。
「デムーロ騎手も調教はそれほど得意ではない印象があります。実際に、かつてリアルスティールの追い切りで意図せぬ猛時計を出してしまったり、逆に数年前の日本ダービーではアドマイヤハダルの追い切りが軽くなり過ぎたため、助手が急遽2本目の時計を出したりしたこともありました。
また、昨年の天皇賞・秋(G1)の1週前にはスターズオンアースに跨って、本来なら併せ馬になる予定だったものの、僚馬を交わして単走になってしまい『指示通り乗れませんでした』と苦笑する場面も……。この時のスターズオンアースは脚部不安で、結局レースを回避しています」(同)
武騎手とデムーロ騎手、2人合わせてJRA通算5791勝の超一流ジョッキーに代わって、ダービー有力馬の最終追い切りを任された若手2人。JRAでまだ合計30勝しかしていない吉村騎手と小林勝騎手の“仕上げ”が今年のダービーのカギとなるかもしれない。
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