
アキバの女王・桃井はるこ「新・ダート三冠」を語る! ついに始まった南関東三冠のJRA進出…10年来の1地方競馬ファンは「何」を思ったのか【特別インタビュー】

「芝とダートを両輪とする日本競馬の発展を目指し、地方競馬が主体となってダート競走の体系を整備します――」
2022年11月、JRA(日本中央競馬会)とNAR(地方競馬全国協会)が手を取り合い、大々的に発表されたダート革命。その目玉となったのが、今年から創設された「ダート三冠競走」だ。
羽田盃、東京ダービーといった従来の南関東三冠競走を、中央を始めとした他地区にも開放し、最終戦だったジャパンダートダービーはジャパンダートクラシックと名を変えた。
このダート三冠新設は、多くの競馬ファンにとっても歓迎すべきものだった。中央競馬ではクラシックを筆頭に充実する3歳芝路線に対して、ダート路線のビッグレースの少なさが以前から問題視されていたからだ。
そして今春の羽田盃をアマンテビアンコ、東京ダービーをラムジェットとJRA所属馬が制覇。世界を股にかけて活躍するフォーエバーヤングも、ダート三冠の最終戦ジャパンダートクラシックを見据え「ダート三冠競走」は初年度から、非常に興味深い局面を迎えようとしている。
そういった意味では大成功だったといえる「ダート三冠競走」の創設。しかし、その一方でホームの南関東の所属馬、そして関係者は、突然やってきた“黒船”に優勝をさらわれた格好だ。
競馬が弱肉強食の競争社会である以上、仕方のない面もあるものの開幕戦となった羽田盃には地方馬が4頭しか参戦せず、1973年以来史上最少タイの8頭立てという寂しいメンバーとなるなど、決してすべてが順風満帆だったというわけではない。
果たして、新時代の幕開けと言えるダート革命は、これから地方競馬にどんな影響を与え、何を残すのか。そして、突然の革命に晒された地方競馬を愛するファンの思いは。
オタク界きっての地方競馬ファンであるシンガーソングライターの桃井はるこさんに、1ファンとしての話をうかがってみた。
平日に!? しかも街中に競馬場!? 夜にもやってるじゃん!
――本日はよろしくお願いいたします! まずは、桃井さんと地方競馬との出会いを教えていただけますか?
桃井はるこさん(以下、桃井):よろしくお願いします! 競馬には前から興味があったんですけど、私の場合、土日はほとんどイベントとかライブで……。そんな中で知ったのが、地方競馬だったんです。「平日に!? しかも街中に競馬場!? 夜にもやってるじゃん!」って。だから、私が競馬を好きになったのは地方競馬のおかげなんですよね。
それで私が地方競馬にハマり始めた頃に、ハッピースプリントっていう(6連勝中の)凄く強い馬がいて。ちょうど10年前の東京ダービーですね、単勝1.1倍だったんですけど、応援してたらめちゃくちゃ強い勝ち方をしてくれて。「これ絶対、三冠馬になるじゃん!」って確信してました。
――最後の1冠、ジャパンダートダービーは南関だけでなく、JRAのトップクラスとの争いにもなります。
桃井:そうそう。当時の私はまだ競馬を始めて半年くらいだったので、それを知らなかったんですよ。レース当日は大井競馬場まで行って……。雨が降ってたので、東京ヤクルトスワローズの雨合羽を着て応援してました。
――ヤクルトの応援といえば、東京音頭に合わせて傘を振る。
桃井:私も傘、持ってましたよ。今だと、競馬場で傘をさして応援すると他のお客さんに迷惑なんですが、当時は人も今ほど多くなくて。
――G1開催(ジャパンダートダービー)の当日でも?
桃井:今みたいな満員ではなかったですね。そう思うと、やっぱり地方競馬もこの10年で随分変わったなあ。昔なんて、それこそいわゆる“競馬オヤジ”ばっかりでした。
――地方の競馬場だと、中央よりもさらに多かったですからね。
桃井:今じゃ、地方の競馬場も若い人がすごく多いし、『ウマ娘』(プリティーダービー、Cygames)とかのグッズ持ってる人も多い。大井競馬場も昔はコンクリートむき出しぽかったところとか、全部きれいになって花壇とかもありますしね。全部、我々地方競馬ファンのおかげですよ!(笑)。
――ここ10年で大きく変わったのは、中央競馬よりも地方競馬かもしれません。
桃井:そうなんですよ。それでハッピースプリントのジャパンダートダービーですけど、最後の直線で抜け出して「やったーー!」って思ったのも束の間、なんか1頭すごい勢いで突っ込んできて……。
――ハッピースプリントは惜しい2着でした。
桃井:「え? 誰だよ、カゼノコって!? ええええ!?」って感じで。めっちゃ応援してたからホント、ショックで……。それが、私がJRAとの出会いというか、その存在を強く意識した最初でしたね。
――地方競馬のファンの方にとっては、強いJRA勢の存在には複雑な感情があると思います。
桃井:やっぱり南関には南関の、それぞれの地方競馬には地方競馬のワールド・文化があって、なんか他の世界からやってきたみたいな馬に簡単に勝たれてしまうと、モヤモヤってなっちゃいますよね? まあ今じゃ、この間も『ウマ娘』の映画(ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉)も見てきましたし、中央競馬も大好きなんですけど(笑)。
――そんな桃井さんからすれば、今年から始まった「ダート革命」というか、南関の三冠競走の開放には、我々のような中央から競馬ファンになった人とは、一味違う感情があったと思います。
地方競馬がもっと成長していくためには「必要なこと」
桃井:最初、知った時には「ええ!?」ってなりましたね。私もハッピースプリントから(昨年の南関三冠馬)ミックファイアまで観てきた人間ですから、正直思うところもありました。けど冷静になると、やっぱりこれから地方競馬がもっと成長していくためには「必要なことなんじゃないかな」って考えるようになったんです。

――東京ダービーの馬券売上は、前年比232%だったそうです。そのお話を聞くと、中央にジャパンCができた時に似てるかもしれませんね。JRAが「世界に通じる馬づくり」のために最初に創設した国際レースがジャパンCでしたが、当時は外国馬にまったく歯が立たず。カツラギエースが日本勢として初勝利を挙げるまでに4年かかりました。
桃井:そうかも! 羽田盃も東京ダービーも中央の馬が勝ちましたけど、(羽田盃は)船橋のフロインフォッサルが3着、(東京ダービーは)高知のシンメデージーが4着。そこまで負けたわけじゃないんです。地方と中央の差はどんどんなくなっていってると思いますし、ハッピースプリントやミックファイアを超えるような地方馬がいつ出てきても不思議じゃないんじゃないかなあ。
――この春の川崎記念では川崎のライトウォーリアが、東京スプリントでは大井のジャスティンが中央馬を破っていますし、今や地方所属馬が当たり前のように交流重賞を勝つ時代ですからね。
桃井:今月(6月12日)の関東オークスでも、ミスカッレーラとグラインドアウトが地方馬として2、3着に頑張ってました。
――さすがにお詳しい(笑)。では最後に1地方競馬ファンとして、全国の競馬ファンに向けてメッセージをお願いできますか。
桃井:私を含め、地方競馬のファンの方の中には驚いた人もいたと思うんですけど、今回のことを機に地方競馬がさらにパワーアップしてくれたらなと思います。ただ私としては、それぞれの競馬場が培ってきた特色とか、ワールド・文化とかを失わないまま成長していってほしいなと思います!
――なんだか、アキバのオタク文化みたいですね(笑)。
桃井:そういうことです(笑)。
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その他最新情報
桃井はるこ公式ホームページ http://rg-music.com/momoi/
桃井はるこX https://twitter.com/momoiktkr

■桃井はるこ
シンガーソングライター、声優。2013年オルフェーヴルの引退レースに感動し、東京大賞典で競馬現地初観戦。中央、地方ともに好き。最強の思い出は2016年有馬記念フェスティバルで一列目を引き武豊騎手とルメール騎手の間の席で観覧したこと。落ち着いたら北海道の牧場にまたひとり旅に行きたいな。
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