【桃井はるこ×帝王賞(G1)】固定観念を捨てて大万馬券を狙う宣言!? ウィルソンテソーロ切りで挑む珠玉の5頭とは?
宝塚記念(G1)がJRA上半期の集大成であるならば、地方競馬にとっての上半期集大成は帝王賞(G1)だ。今年も6月26日、大井競馬場には全国からダート界の猛者が集結し、覇を競うこととなった。
そしてこれに合わせて「GJ」では、コラム『モモーイの超!大穴でグッジョブ!』を連載中でおなじみの桃井はるこさんにお越しいただき、見解をうかがってみることに……したのだが、いつもとはちょっと様子が違っているような気が……。
−−連載でやり取りはしていますが、直接対面するのは昨年のフェブラリーS(G1)以来ですね。まずは近況などから聞いてもいいでしょうか?
桃井はるこ(以下、桃井):お久しぶりですねぇ〜。近況ですか……。まずは6月15日のワンマンライブ『アーリーサマーライブ2024「DROPS」』が無事に終了したことを報告させてください! ご来場いただいた方、本当にありがとうございました!!
−−お疲れ様でした!
桃井:ワンマンライブって、全身全霊をかけて自分の持っているものをアウトプットしなきゃならないんです。だから集中したくて、あまり他のことには目を向けないようにしていたんですよ。
今は終わったのでちょっとリラックスモード。好きなことをしようと思いまして、『ウマ娘』の映画(ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉)を見に行ったんです。しかもMX4Dと4DXを両方で見ちゃいましたよ。
−−MX4Dと4DX! 前から一度、体験してみたいと思ってたんですよ!
桃井:オススメですよ! まず、MX4Dから行ったんですよ。MX4Dは香りの演出があるんです。マンハッタンカフェがコーヒーを持って出てきたら、コーヒーの香りしたりとか(笑)。
−−おおっ!
桃井:シートの揺れは優しいんですけど、スクリーンの外にLEDの照明があって、画面の中でキラキラッて演出のときに一緒に光るんです。音楽のライブみたいで効果的なんですよ。
そして最後に流れる『うまぴょい伝説』! 「ずきゅんどきゅん 走り出し~」って歌メロに合わせて、衝撃がお尻の辺りをめがけて突き抜けてくる。画面ではスタッフロールが流れているんですよ!? ここで本気出してくるって、最高に遊び心があるなと思いました。MX4Dは優しい動きで映画の世界観を拡張してくれましたね。
一方、4DXは、見るというかアトラクションに乗るって感じ。スタート前に飲み物、食べ物を持ってる方はスタッフが回収しますって言われて。その瞬間にわかりましたよね。「置いといちゃダメなくらい揺れるんだ」って……。
もう本当にすごくて。激しいし、水が出る演出が印象的でした。ウマ娘の汗?を浴びられる。あとお風呂のシーンでは湯気が湧く。さらに走って加速するときには風も吹くし。
−−どちらも面白そうですね! どっちで見ようか迷ってしまうかも……。
桃井:演出の方向性が違うんですよね。だから、違うシステムで2回どっちも見るのもいいんじゃないでしょうか。でも、逆にね。これ普通の映画館で見たらどんな感じなんだろうと(笑)。これから見に行こうかな。
でも、競馬も見なきゃなんですよね〜。最近、こちらの情報もなかなかインプットできてなくて。
−−桃井さんといえば、いつもインタビューを受ける前に綿密に情報を集めてこられていましたけど、今回はまだ準備がすんでいない……? とか?
桃井:いや、なんというか。情報はある程度、まとめているんですが、迷っている状態でして。
−−珍しいですね。
桃井:というか、帝王賞って難しいんですよ。あんまり荒れないって言われているけど、そんなことはないし! 例えば2021年。1着が4番人気のテーオーケインズで、2着が10番人気のノンコノユメ、3着は6番人気のクリンチャー、しっかり荒れてるんですよ。
−−交流重賞はJRA勢が上位に入ることが多くて、荒れないイメージもあるんですが、帝王賞はちょっと違うんですよね。
桃井:そう。意外と1番人気が勝たないんですよ。それに今年は有力馬がこぞって海外に行っちゃって、帝王賞に他を圧倒する感のある馬がいないんじゃないかなぁって。いつも一番強そうな馬がどう動くかとか予想して、いろいろ考えているんですが、今年はそうもいかない……。
なので、今回は相談しつつ「推し馬」を決めさせてもらっていいでしょうか?
−−その相手は、馬券が当たらないことでおなじみの編集部スタッフでよろしいですか?
桃井:大丈夫です! 今回こそ、当たるかもしれないですよ〜。
−−期待してます! 今年の帝王賞で気になる点はありますか?
桃井:大井競馬場の砂! 昨年の10月に全部替えたんですよ。しかも砂の厚さも8cmから10cmになったんです。私の体感では大井競馬場って、逃げた馬がめちゃくちゃ差を付けてそのまま押し切り勝ちするってことが、今までは結構あったんです。でも砂が替わってから、あまりそういうシーンを見なくなったような気が……。あくまでも私の感想レベルですけどね。
−−それは大きな違いかもしれないですね!
桃井:そうなんですよ。だから3連覇がかかるメイショウハリオにとってこれが結構な不安要素なんです。砂を入れ替えた直後のJBCクラシック(G1)では、1番人気で4着でしたから。もしかして、ちょっとこの砂が苦手? なーんて考えちゃったり。
−−ちょっと傾向が変わったのかもしれない、と。
桃井:そう! でもね。メイショウハリオは帝王賞を2連覇しているんですよ。直線が長く、実力が問われる大井の2000mで! 今まで連覇した馬もいなかったんですよ。フリオーソ、ホッコータルマエなどの名馬たちも、複数回勝ってますけど、連続ではないんです。
ここは記録をさらに偉大なものにすべく、3連覇目指して陣営もメイチで仕上げてくるんじゃないでしょうか。半弟のテーオーロイヤルも天皇賞・春(G1)を勝ちました。だったら「お兄ちゃんもいいとこ見せるぞ!」ってなもんですよ。メイショウハリオ本人もきっと3連覇したいと思っているはず(笑)。
−−砂の入れ替えはあったけれども、王者の意地を見せてもらいたい、と。
桃井:そうそう。本当は1番人気もあり得るだろうなぁって考えていたので推したくないんですけどね。なんですかね。この人気馬を買いたくなくなる心境って。この現象に名前をつけてもらいたいです。
−−昨秋から調子悪そうですし、今回はウィルソンテソーロ、セラフィックコールなどもいますし、メイショウハリオは4番か5番人気の可能性もありますよ?
桃井:えっ? ウッソ……じゃあ、なおのこといいじゃないですか! 目指せ、メイショウハリオ3連覇!!
−−ありがとうございます! ではメイショウハリオが本命ということで。対抗はどれにしましょうか?
桃井:ウィルソンテソーロ、セラフィックコールも気になるんですけども、ここはライトウォーリアに頑張ってもらいたいんですよ。
−−昨年、書いていただいた帝王賞を扱ったコラムでも本命視されていましたね。
帝王賞(G1)は地方の雄とリピーターに大注目!? 地方競馬愛を炸裂させる桃井はるこの狙い目は? 【モモーイの超!大穴でグッジョブ!第3回】
桃井:あのときは6着でした。無念……。でも、今は違うじゃないですか。
昨年末に大井競馬の勝島王冠(重賞)で2着に入って、川崎競馬の報知オールスターカップ(重賞)を勝利。そして4月には、JRAと交流競走の川崎記念(G1)を逃げ切り勝ち!
ダートは歳を重ねた馬の上位進出も多いですからね。21年に2着に入ったノンコノユメは9歳で、クリンチャーは7歳。ライトウォーリアだって7歳で能力を伸ばしてきたって不思議じゃないですよ。
昨年はちょっと時代を先取りし過ぎましたが、私はライトウォーリアを見出していましたし、今年、もう一花咲かせてほしい!
−−コラムに書かれていましたけども、ライトウォーリアは2021年の太秦S(OP)でメイショウハリオに先着した実績もあるんですよね。
桃井:その通り! そして鞍上は吉原寛人騎手。みんな最近、ようやく吉原騎手の実力を知ったようで人気するようになってきたんですよね。昔は違ったのになぁ。
−−“天才”とも呼ばれている吉原騎手の手腕にも期待ってことですね。
桃井:はい! 本命、対抗まではなんとかなるんですけど、そこからなんですよねぇ。ウィルソンテソーロを入れておけば、当たるだろうって気もするんですけども、それもなんか違うじゃないですか。
−−まぁ確かに(笑)。
桃井:だからセラフィックコール、グランブリッジ、ノットゥルノ、そしてサヨノネイチヤなどで悩んでいます。
−−1頭ずつ聞いていきましょう。まずセラフィックコールですが、今回はD.レーン騎手が騎乗する予定ですね。
桃井:上位人気になりそうですよね。実績に加えて鞍上も問題なし。さらに、帝王賞はJRA所属の4歳牡馬が出走すると馬券に絡むことが多いんですよ。昨年もこれに当てはまっていたクラウンプライドが2着でしたし。なので外したくないですね。
−−今年もその法則が生きると見るわけですね。次のグランブリッジは今回、川田将雅騎手がウィルソンテソーロに乗るため、坂井瑠星騎手が騎乗する予定です。
桃井:そうなんですよね。川田騎手が選ばなかったっていう見方もできちゃうじゃないですか。でも、ですよ。坂井騎手のお父さんは大井競馬の坂井英光調教師。妄想ですが、大井競馬場の乗り方を父親に習ってるんじゃないかなぁ、なんて(笑)。
−−なるほど。ちなみに牝馬での優勝は2003年のネームヴァリューが最後ですね。
桃井:でも、牝馬で帝王賞に参戦ってケースも少ないので、あまりその辺りは気にしなくてもいいのでは? それに暑い時期は牡馬よりも牝馬の方が走る傾向にありますし。
それに多分、これまでの私だとグランブリッジは選ばないんですよ。今回は固定観念を変えて挑みたい。そういうのに縛られていては、大万馬券は取れないのですよ!
−−心強いお言葉をいただきました! あとノットゥルノはどうでしょうか? 今回も武豊騎手が乗るようですけども。
桃井:昨年の東京大賞典(G1)で4着だったんですよね。しかも、前走の名古屋グランプリ(G2)は2着に8馬身差をつけてレコード勝ち。だから、無視はできない存在なんですけども、前に行きそうな馬なので……。特に今の大井競馬場の馬場だと、どうなるのかなぁって。
−−なるほど、なるほど。では最後は、サヨノネイチヤですね。
桃井:現在、連戦連勝。強い地方の馬が集う大井記念(重賞)を勝ってるのも、ポイント高いです。前走でバーデンヴァイラーを倒して、前々走はヒーローコールも破り、その前にはライトウォーリアと、この帝王賞に出てくる強い馬を倒しています。
それに今回も西啓太騎手が乗りますね。西啓太騎手が乗りますね。正直、西騎手は数年前までは一発ある騎手で、短距離に強いってイメージあったんです。でも、今は絶賛ブレイクしてる。すごい乗れてると思うんですよ。
そして坂井英光厩舎。坂井瑠星騎手のグランブリッジとの叩き合いもあるかもしれない。親子対決って、ドラマっぽい展開も面白いんじゃないですかね。
−−ここで勝って、一気に全国に名を轟かせるかもしれないですね。では、話をまとめましょうか。本命・メイショウハリオ、対抗・ライトウォーリアですが、それ以降は?
桃井:う〜〜〜〜ん、やっぱり。単穴・セラフィックコール、複穴・グランブリッジ、注目はサヨノネイチヤですかね。
−−とても魅力的な馬券になりそうです!
桃井:グダグダしちゃってごめんなさい。でも今年こそは当たってほしい!
ワンマンライブ終了後でお疲れにもかかわらず、熱く競馬を語っていただいた桃井さん。果たして帝王賞は桃井さんの予想通りになるのか。発走は20時10分を予定している。
(インタビュー・構成=GJ編集部)
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桃井はるこ公式ホームページ http://rg-music.com/momoi/
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