
クロノジェネシス旋風再び!?「北村友一×バゴ」が復活の狼煙

25日、新潟競馬場で行われた新潟2歳S(G3)は、6番人気のトータルクラリティ(牡2歳、栗東・池添学厩舎)が勝利。1番人気コートアリシアンとの競り合いを制し、デビュー2連勝を飾った。
「勝ててよかったです」
レース後、そう胸を撫で下ろしたのは主戦の北村友一騎手だ。結果こそ半馬身差の完勝だったが、勝利騎手インタビューでは、返し馬の段階で「予想していた通りテンションが高かった」「作戦は馬に跨ってから」と振り返っている通り、騎手にとっては決して簡単なレースではなかったようだ。
「気性面で幼さを残しているトータルクラリティですが、北村友騎手にとっては前走の新馬戦から騎乗していたことが大きかったと思います。『もともと(末脚が)切れるような馬ではない』と馬の特徴を掴んでいたこともあって、この日はラスト1000m辺りから動き始めるロングスパート。最後の直線では瞬発力の差で一度はコートアリシアンに前に出られましたが、しっかりと差し返した内容は、馬に合った競馬をした鞍上のファインプレーだったと思います」(競馬記者)
そんな北村友騎手は、2018年には90勝を挙げてリーディング6位に食い込むなど若手の代表的な存在だったが、2021年に大きな落馬事故に巻き込まれた。診断の結果、背骨に8本の骨折が見られる重傷。2022年6月11日の復帰までに1年以上の時を要した。
その後、なかなか結果が出ない日々が続いていたが、昨年は40勝を挙げるなど、かつての姿を取り戻しつつある。今春のファルコンS(G3)を勝って3年ぶりの重賞制覇を飾った北村友騎手だが、来年のクラシックを見据える有望な2歳馬が集った中での重賞勝利は、また一味違った意味をもたらしそうだ。
「北村友騎手は、他にも東京・芝1800mのレコードでデビュー戦を飾ったクロワデュノールや、コスモス賞(OP)を7馬身差で圧勝したアスクシュタインなどに騎乗しているだけに、今年の2歳馬はかなり楽しみなラインナップが揃っていると思います。G1勝利は2020年にクロノジェネシスと勝った有馬記念(G1)を最後に遠ざかっていますが、近いうちに大きなチャンスがありそうですね」(競馬記者)
その一方で、北村友騎手と共に復活の狼煙を上げたのが、トータルクラリティの父バゴではないだろうか。
今回が2021年9月の神戸新聞杯(G2、ステラヴェローチェ)以来の産駒による重賞勝利となったバゴ。バゴといえば、やはり北村友騎手とのコンビで一世を風靡したクロノジェネシスが代表産駒であり、G1勝利は同馬による2021年の宝塚記念(G1)から遠ざかっている(北村友騎手は当時、落馬負傷で戦線離脱中だったため、鞍上はC.ルメール騎手)。
「トータルクラリティはノーザンファーム産のバゴ産駒ですが、これはクロノジェネシスと同じ組み合わせ。ただ、実はバゴが(日本軽種馬協会の)静内種馬場に繋養されていたこともあって、この2歳世代の前までJRAでデビューした馬はわずか6頭しかいないパターンでした。
ですが、その6頭からクロノジェネシスやステラヴェローチェといった重賞勝ち馬が出現。そんな流れもあって、今年の2歳にはノーザンファーム産のバゴ産駒が7頭もいます」(別の記者)
高いアベレージを誇る「ノーザンファーム×バゴ」だが、今年の2歳馬にはトータルクラリティだけでなく、東京の新馬戦を勝ちあがったウィンターベルもルメール騎手が高く評価している逸材だ。他にもエリザベス女王杯(G1)を制した母ラキシスの仔ミラージュナイトや、有馬記念を勝ったブラストワンピースの甥ヴィクトワールバゴといった良血まで控えている。
「テンションが高いところがもう少し大人になってくれば、背中の良い馬だし、活躍できると思います」
レース後、そうトータルクラリティの将来性に期待を寄せた北村友騎手は落馬負傷で長期離脱した影響もあって、2021年が15勝、2022年も14勝と苦しい時期を乗り越えてきた。一方のバゴもクロノジェネシスの後、二の矢が放てず、今年の種付料は100万円まで落ち込んでいる中での重賞制覇となった。
今回のトータルクラリティの新潟2歳S制覇は、北村友騎手とバゴの復活の狼煙になるかもしれない。
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