天皇賞・春(G1)”最強”藤原厩舎の刺客トーセンバジル覚醒! 「世界最強」と互角に渡り合ったその「真の姿」とは
ここまで焦らずに馬の成長を待ち、脚腰がパンとしてきてから使い出す、藤原英調教師の粘り強い育成方針が身を結びつつある。
さて、今年のバジルの始動だが、3月の日経賞にM.デムーロを鞍上に迎えて出走。5着と案外の結果に終わっているのだが、これはデムーロが「馬場が悪く、脚を取られて、ずっと下を気にしていた」「道中ずっと右にもたれていた」などと談話を残したように、バジルは重馬場が下手なようで、それで5着であれば上々。ミルコ自身も天皇賞春とセットで騎乗依頼を受け、今のところ週末の雨の予報はないせいか、この負けをあまり気にしていない様子。現にこの中間も「明らかに一度叩いた効果で馬が良くなっている」(同記者)とのことで、日経賞の時よりも馬の状態が上がっていることを陣営は良しとしているようだ。
トーセンバジル自身、この京都の芝は5戦2着2回4着1回。決して不得手というわけではない。これまで長距離ばかりを使われてきたのでスタミナ勝負は望むところ。肝心なスピードも、過去18戦で上がり3Fタイム3位までに入ったのが13回もある(計測しない香港ヴァーズは除く)ところから、まったく問題ない。
最後に、藤原英調教師が昨年香港のレース後に「先着の2頭は世界で走る馬だから。このメンバーで戦えるのは楽しい。(中略)また来年挑戦したい」とコメントしたのは、もちろんトーセンバジルでふたたび香港に出て優勝するという夢があるからこそ。ならば「バジルはここで負けてなどいられない」という気持ちでいるに違いない。