JRA田中博康厩舎「超速3勝」で出世確定か……調教師に至った経緯としたたかな「システム」
「おそらく自分を変えたい、という思いで渡ったと思うのですが、世界の競馬の育成を実際に見聞し、騎手としてだけでなく、1人のホースマンとして知識を深めていきました。帰国後にメディアで将来調教師になる可能性に言及するようになったのは、この時の経験が多分に影響してるに違いありませんね」(同記者)
また、2012年に帰国後、彼は中内田厩舎の手伝いもするようになり、馬づくりに携わる想いはより一層膨らんでいったようである。その想いの強さを示すように、誰よりも猛勉強を重ねて、2016年調教師免許を一発で合格してみせた。
ジョッキーを引退し、見習いの技術調教師としてさらに勉強を重ね、積極的にベテラン調教師から教えを請い自分のものにしていった。ジョッキー時代は真剣であるがゆえに色々な事を試して、空回りしていたこともあったようだが、今度はその真剣さが調教師にとってプラスに作用していくのである。
上昇気流に乗る田中博厩舎。当初は金曜追い切りも行なっていたが、今はそれをやめて、水木の追い切りに集中させている。人手の関係ではあるものの、スタッフとの連携も蜜でしっかり現場の声に耳を傾けている田中博調教師の柔軟性は大したものだ。2歳新馬の馬質も高く、今後はさらに飛躍することだろう。