KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大「卒業」に秘められた思いを告白。「100m歩くのに10分もかかった」盟友・佐々木寿人にさえ明かさなかった満身創痍の3年間

「卒業」の決意を固めたKONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大選手 ※コロナ感染拡大防止として、適切な距離を取って収録しています。

「新陳代謝の無い世界は滅びる――」

 そう告げて、今シーズン限りでユニフォームを脱いだ選手がいる。麻雀MリーグKONAMI麻雀格闘倶楽部所属、前原雄大。今年の12月で65歳になる大ベテランだ。

 2018年に誕生したMリーガーの中で、最年長選手として活躍してきた前原。今年6月25日のファン感謝祭で、藤崎智とともに正式な退団が発表され、前原は「卒業」という形になった。

 同日に前原がTwitterで行なった挨拶では約1万の「いいね」が付くなど、異例の反響があった。そこには「おつかれさまでした」という温かい声と共に、卒業を惜しむ声も相次いでいる。

「この3年間、チャンスをもらいましたから」

 そうMリーガーとしての現役続行を否定する前原は、1選手としてなら今シーズンこそ大きくマイナスしたが、2018シーズンは+84.8pt、2019シーズンも+80.3ptと結果を残している。

「選手としてはそうかもしれませんけど、やっぱりKONAMI麻雀格闘倶楽部を優勝させることがコナミさんへの最大の恩返し。そういった意味では結果を残すことができませんでしたし、特に今シーズンは(佐々木)寿人がMVPを獲ったのに、ファイナルまで連れていくことができなかった」

「Mリーグは、調子のいい選手がチームに2人いれば勝ち進めるんです」と話す前原は、初年度+84.8pt、2年目も+80.3ptと好調を維持。エース・寿人との2トップを組んでいた。だからこそ、今シーズンはMVPの寿人を擁しながらファイナルへ進めなかったことに「あれは僕の責任ですよ」と言い切った。

「コナミさん、期待して応援してくださっているファンの方々に対して『申し訳ないことをしたな』と……」

 シーズン終了後、チームのマネージャーと今シーズンの振り返りや、来期に向けて話し合う席が設けられた。ただ、この時すでに前原の中には「チームに恩がありますから『どうしても残ってほしい』と言われたら残ろうと。それ以外だったら、自ら身を引こうと考えていた」とMリーグから退く覚悟があった。

 前原がそんな考えに至ったのも、昨シーズンの出来が自分で到底納得できないほど悪かったからだ。「これまでの自分では、ちょっとあり得ない中途半端な麻雀が続いた」と話す前原は、試合後のインタビューで自身の不甲斐なさに言葉を詰まらせるシーンも。「プロとしてどうなんだ?」「悔しがる権利すらない」と自らを厳しく責めた。

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