GJ > 麻雀ニュース > 前原雄大「卒業」に秘められた思いを告白  > 3ページ目
NEW

KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大「卒業」に秘められた思いを告白。「100m歩くのに10分もかかった」盟友・佐々木寿人にさえ明かさなかった満身創痍の3年間

【この記事のキーワード】, ,
KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大「卒業」に秘められた思いを告白。「100m歩くのに10分もかかった」盟友・佐々木寿人にさえ明かさなかった満身創痍の3年間の画像3
右の肩甲骨はまだ万全ではなく、左腕には注射の痕が。 それでも自分の思いをファンに伝えたい一心で今回のインタビューに応じた

 実は前原は2018年のMリーグ開幕当初から、すでに満身創痍だったという。

 昨シーズンのMリーガー30人中16人が所属するなど、前原を含め約700名の麻雀プロが所属している日本プロ麻雀連盟。Mリーグが幕を開けた2018年、当時の前原はその日本プロ麻雀連盟の頂点・鳳凰位を2連覇中だった。他にも麻雀グランプリMAXなど数々のタイトルを獲得するなど、麻雀界全体でもその存在は際立っていた。

 だからこそ前原がMリーグのドラフトで指名を受けたことは、ごく自然な流れともいえる。だが、その一方で前原本人には「自分がMリーグに参戦して良いのだろうか」という思いがあった。

 というのも、タイトル戦を勝ち抜くことで対局数が増えていき、極度の過密日程となった中で持病の椎間板ヘルニアの悪化に加えて狭窄症を発症したからだ。狭窄症は脊髄が圧迫されて、腰の痛みや脚のしびれなどの症状を起こすと言われているが、Mリーグ初年度の最も酷い時は「100m歩くのに10分もかかった」というほど症状は深刻だった。

「病院を回って色々手を尽くしたんですけど、手術を受けても根治しないことがわかって……他のチームだったら、たぶん(Mリーグに)行かなかったでしょうね」

 それでも前原が参戦を決意したのは、指名されたのがKONAMI麻雀格闘倶楽部であり、佐々木寿人や高宮まりと共に闘いたいという強い意思があったからだ。

「サポーターは僕らが勝っても負けても温かい言葉をくれますし、スタッフも朝早くからMリーグの試合が終わるまで、ずっと頑張ってくれている。選手だけじゃなく、そんな全員でファミリーになったのがKONAMI麻雀格闘倶楽部というチームなんです」

 満身創痍の中、掛け替えのないファミリーに囲まれてMリーグ初年度を闘った前原。だが、ここでまたも悲劇が襲う。シーズンのある試合で、カンした際に嶺上牌を取らずに打牌してしまったことで少牌(手牌が13枚より少なくなってしまう状態)してしまった。

 原因は、試合前に狭窄症の痛みを抑えるために打っていた神経ブロック注射(痛みがある場所の神経の近くに局所麻酔薬を注射)だった。「どうしてもボーッとするじゃないですか」との言葉通り、強い麻酔は同時に感覚や思考能力を奪ってしまう。その結果、大ベテランの前原らしからぬミスに至ってしまったのだ。

「私のエラー。私のミスでゲームを壊してしまって大変申し訳なく思っております。私個人ということではなく、Mリーグファン、KONAMIファンに大変申し訳なく思っております」(当時のコメントより)

 それでも前原は、ファンはもちろん、チームメイトにさえ自身の状態を明かさなかった。すべての事情を飲み込んで、ただ頭を下げ続けた。その一方で、二度とこういったミスを繰り返さないために、ブロック注射など試合に影響が出る治療をすべて絶った。

「痛いのはしょうがない。試合が始まると集中して(痛みを)忘れることができた」と悲壮な決意で以降のシーズンを闘った。

KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大「卒業」に秘められた思いを告白。「100m歩くのに10分もかかった」盟友・佐々木寿人にさえ明かさなかった満身創痍の3年間のページです。GJは、麻雀、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 麻雀
  • 総合
  1. 【小島武夫さん追悼再掲載】勝負と女に賭けた人生 日本初の麻雀プロ・小島武夫の「遺言」
  2. 今、明かされるMリーグ2020白鳥翔・松本吉弘・日向藍子、それぞれの「涙」の理由。多井隆晴「5連闘」轟沈で、まさかの号泣終幕から2ヵ月【渋谷ABEMAS全員集合インタビュー後編】
  3. 多井隆晴「断固」ABEMAS宣言! 激動のオフシーズン滝沢和典「電撃退団」に白鳥翔が感じた「Mリーグに足りないもの」とは【渋谷ABEMAS全員集合インタビュー前編】
  4. Mリーグ小林剛×黒沢咲、ついに初対談!「鳴くか、鳴かざるか」麻雀の永遠のテーマに迫る
  5. 多井隆晴×佐々木寿人、Mリーグ開幕直前「No.1対談」実現! 通算「+922.1pt」VS「+803.1pt」2大エースは何故勝てるのか……見えた「強者」の共通点
  6. AIがあなたの牌譜を解析し、最適打牌を提案。雀力向上をサポートします。
  7. Mリーグ「新生」KADOKAWAサクラナイツ内川幸太郎を渋谷ABEMAS白鳥翔が直撃! 「あのロゴ、やっべええ!!」魔法少女が憧れる最強の「情報発信力」【Mリーグ場外対談】
  8. 萩原聖人「95%は辞めるつもりだった」Mリーグ「引退」について告白……歴史的大敗からの逆襲のカギは原点回帰。今一度考えるべき「雷電の麻雀」とは
  9. JRA秋華賞(G1)黒沢咲「場外ホームラン予想」再臨!? 麻雀・Mリーグ開幕「結婚発表」で大注目「強気のヴィーナス」が豪快万馬券狙い!
  10. EX風林火山・勝又健志&滝沢和典が語る! 激戦のMリーグ2018で明かされた滝沢「完全復活」の真実【書籍出版記念インタビュー】
  11. パチスロライター木村魚拓×麻雀Mリーガー滝沢和典が飲み談義!? 「じゃあ、飲みながらで!」業界トップランナーの“ぶっちゃけトーク”【Mリーグ開幕直前インタビュー】