松本吉弘「麻雀界が揺れた」奇跡の大抜擢から半年……”負けて当然の若手”だからこそ「絶対に負けられない」理由【RTDリーグ2018インタビュー】
いよいよ終盤に差し掛かった『藤田晋 invitational RTDリーグ2018』(AbemaTV)。すでに準決勝や決勝を見据えているプレイヤーもいる一方、今期の注目はなんといっても「降格争い」だろう。
今や、インターネットテレビ局『AbemaTV』を通じて圧倒的な注目度を誇り、多くの出場選手が「出ることがステータス」と語るRTDリーグ。そんな麻雀界最高峰からの脱落は「死を意味する」とまで公言されている。
そんな麻雀プロとしての”生死”が懸かった究極状態に今、1人の若者が直面している。次代の麻雀界を担う存在として、若干26歳にして抜擢された松本吉弘プロ(日本プロ麻雀協会)だ。
麻雀界のトップオブトップだけが集う「修羅の頂」で、圧倒的に足りない実績と経験。「負けても仕方ない」という声もある中、若手プロ代表として足掻く『卓上のヒットマン』が語ったのは、生還への「自信」か、それとも破滅への「覚悟」か――。
渦中にいる、その声を聴いた。
――松本さんにとってのRTDリーグは今期が初参戦になりますが、どういった経緯で出場が決まったんでしょうか?
松本吉弘(以下、松本):以前、番組制作の関係者の方からお話があって。これは「もしかしたら……」という思いがありました。というのも、ちょうど僕が發王位のタイトルを獲ったばかりで、AbemaTVさんの番組にも出させて頂けるようになって。それで話があったので「まあ、無理だとは思うけど、もしかしたら……」という、わずかな期待はありました。
――それで、実際にRTDリーグに関するお話があって……。
松本:「これは本当に嬉しいな」と。RTDリーグは今の麻雀界で、どの大会よりも権威が高い最高峰のリーグ戦。僕たち麻雀プロにとっては、出場できること自体が「最上の喜び」なんです。
まだまだキャリアは浅いですけど、麻雀を真剣に勉強し始めて10年くらいの中で「一番嬉しい出来事」でしたね。プロになって培ってきた研鑽だったり、考えや努力が報われたというか「今までやってきて、本当によかったな」。そう心から思える出来事でした。
――麻雀プロになって5年。若干26歳にして、キャリアとしても非常に大きな挑戦だと思います。選ばれた際は全国の麻雀ファンが驚き、「次代を担う若手代表」として大きな期待を持ちました。
松本:僕が選ばれた一番大きな理由は「年齢」だと思っています。僕以外にも麻雀が強い人はたくさんいます。その中でこの見た目だったりとか、年齢が若いっていうのは特徴として「武器」になる。今はネットのおかげで放送対局も増えましたけど、20代で出演しているプロはほとんどいないんです。これでもし僕が30後半だったら、おそらくこの舞台には上がれていないでしょうね。
――RTDリーグのオーガナイザー藤田晋さんも「麻雀界の藤井聡太になってほしい」と期待されています。異例の抜擢となったわけですが、松本さんがまず注目を集めたのが、意外にも「解説の上手さ」でした。
松本:僕自身も驚いています。今まで他の放送対局で解説をさせて頂くこともあったんですが、ここまで反響が大きかったのは初めてです。