「パチンコ愛」の目覚め…魅了され「ホール店員」になった男の「ホンネ」

　開店前や閉店後にはパチンコ玉やメダルを自動補給させる機械や遊技台のメンテナンス、店内の装飾や告知物の作成や変更を行ったり、仕事を始めて第一に思ったのが「意外とやること多いし覚えるのが大変」でした。

「他の業種に比べて賃金も高めだし、好きなパチンコを仕事にできるんだからいいだろう」…そんな甘い考えを持っていってはいけないなと、当時の私は姿勢を正した次第です。

　パチンコ店員は接客業の中でも特殊な部類で、お客様と「ウィンウィン」の関係になることは多くありません。

　大前提としてお客様に遊技していただいたお金でご飯を食べているという事実がございますし、すべてのお客様が勝てない状態で、笑顔で元気なスタッフに接客を受けている空間というのはある意味異質でしょう。

　だからこそ、お客様の店員に対する態度が非常に悪かったり、中には罵声を浴びせられたり。遊技台やトイレに嫌がらせをされる事も少なくありませんでした。

　私がお客様から受けたクレームで一番多く、返答に困ったもの…それは「全然出ないぞ！」という声でした。

　アパレルショップであれば「買った服のサイズを変えたい」などの要求には即座に対応する事もできますが、パチンコに至っては「出ない」と言われても「出玉を意図的に出す」という事はできません。

「かしこまりました」とお客様の要求に応える事のできない状況で、どのように返答してどのように納得していただくか…当時の私は悩みました。