【徹底考察】日本ダービー(G1) マカヒキ「ディープ2世の末脚は届くのか?鍵を握る『本当のマカヒキ』の姿とは」

マカヒキ(競馬つらつらより)

『考察』

 前走の皐月賞(G1)は後方17番手からレースを進め、3、4コーナーで13番手にまで進出。最後の直線ではメンバー最速の上がり3ハロン「33.9秒」の豪脚を繰り出したが、先に抜け出したディーマジェスティを捉えことができず、2着に終わった。

 ここまで4走、上がり3ハロンはすべてメンバー最速。3度の33秒台、さらには32秒台の末脚まで繰り出している父ディープインパクト譲りの追い込みは、まさに世代屈指の破壊力。

 父も苦戦した小回りの中山よりも、広くて直線の長い東京の2400mになれば、この馬の末脚が最大限に生きる。この「世代No.1の追い込み馬」マカヒキこそが、今年の日本ダービー(G1)を勝つに違いない。

 と、主に上記のような理由から、今年の1番人気はおそらくマカヒキになるだろう。各マスコミとしても、非常にわかりやすい有力馬だけに本命視する記者も多いはずだ。

 前置きはこれくらいにして「本題」に入る。

 まず「世代No.1の追い込み馬」というマカヒキの印象は、厳密にはやや異なっている。無論、同じく末脚自慢のスマートオーディンと世代No.1争いをしているのではなく、下記を見ていただきたい。

2歳新馬    11頭立て 前半3ハロン「36.4秒」 コーナー通過順位5-5
若駒S(OP)  8頭立て 前半3ハロン「37.6秒」 コーナー通過順位5-5-6-4
弥生賞(G2) 12頭立て 前半3ハロン「34.3秒」 コーナー通過順位12-9-9-8
皐月賞(G1) 18頭立て 前半3ハロン「34.2秒」 コーナー通過順位17-17-15-13

 上記はマカヒキのこれまでの全4戦と、そのスタートから600m通過までのタイム、そして各コーナーごとの通過順位を記載している。新馬戦だけ京都の1800mなのでコーナーが2つだったが、他はすべてコーナー4つの2000mだ。

 上記の数字が示す通り、前半3ハロンのタイムが速くなればなるほど、マカヒキの道中の位置取りは後方に下がっている。言い換えればスローペースでは好位で競馬し、ペースが速くなれば後方から競馬しているということだ。

 つまり、これだけを見えてもマカヒキは決して追い込み一辺倒の馬ではないし、むしろ「ペースに応じて位置取りを替えられる『自在性』を持っている」ことがわかる。

 その上で、今回の日本ダービーの登録メンバーを見渡した限り、ハナを切ってペースを作るのは、青葉賞(G2)でも逃げたマイネルハニーになることが濃厚だ。マイネルハニーの青葉賞の前半3ハロンのタイムは「35.9秒」。さほど飛ばして逃げるタイプではなく、単騎逃げも見込めることから、日本ダービーではおそらく「35秒台の半ば」程度のペースを作るのではないか。

 そうなると過去4戦の数字が示す通りであれば、出たなりのスタートを切るであろうマカヒキは、皐月賞とは異なり「中団から競馬をすることになる」と考えるのが自然だ。

 そして、過去4戦の数字が示す通り、マイペースで走ることさえできれば、どこからでも超一流の末脚を繰り出すことができるのが、この馬の強みだ。

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