JRA武豊「痛かった」C.ルメール「信じられない」致命的な不利に審議も制裁もなし、ソダシ快勝の裏で被害者大量発生……あの騎手の「危険騎乗」に恨み節続々

ファインルージュ 撮影:Ruriko.I

 15日、東京競馬場で開催されたヴィクトリアマイル(G1)を制したのは、4番人気のソダシ。デビューから無傷の5連勝で桜の女王に輝いた昨年の桜花賞(G1)以来となるG1・3勝目を手に入れた。芝1600m戦はこれで4戦4勝。ダートのフェブラリーS(G1)でも3着に好走したものの、白毛のアイドルの本領発揮はやはり芝の舞台だったようだ。

 主戦の吉田隼人騎手は、ポタジェで制した大阪杯(G1)に続く今年2度目のG1制覇。トップジョッキーが集まる大レースでも、もはや格負けしない存在へと成長した。

 ただ、約1年1か月ぶりの美酒に酔うコンビの裏で、今年のヴィクトリアマイルが“残念な”結果に終わったことにも触れておきたい。

ソダシ快勝の裏で被害者大量発生……あの騎手の「危険騎乗」に恨み節続々

 勿論、勝者の功績は認める必要もあるのだが、2馬身差の2着に敗れた3番人気ファインルージュ(牝4、美浦・木村哲也厩舎)は、最後の直線で躓いてバランスを崩すほどの大きな不利を受けている。

 その後も前の馬に進路を塞ぐような形で横切られ、一度は外を目指しながらも内へと切り替えるロス。並の馬なら戦意喪失しても不思議ではない状況での2着に、C.ルメール騎手から「信じられません。すごく良い脚を使いました」という驚きの声も出ていた。内からのスムーズな進路取りが光ったソダシとは、対照的なレースぶりだったといえるだろう。

松岡正海騎手

 そして、この致命的な不利を与えてしまった“当事者”が、15番人気クリノプレミアムと松岡正海騎手のコンビである。レースとしては、審議のランプが点灯することはなかったものの、全く影響がなかったとは言い難いものだった。

 また、このコンビの被害に遭った馬が、ファインルージュ1頭だけではなかったこともより深刻だ。レース映像を確認した限りでは、武豊騎手のディヴィーナや菅原明良騎手のアブレイズもまた、不利を受けている。

「まず、スタート直後にクリノプレミアムが外へ流れて、前を横切られたアブレイズの進路がなくなっています。直線後方から上がり最速タイの脚でデアリングタクトとクビ差の7着まで追い上げていました。

武豊騎手のディヴィーナにしても、インの好位を追走していましたが、外から内側へ移動してきたクリノプレミアムに馬体をぶつけられ、折り合いを欠くシーンも……。あの不利がなければ、もう少し前で競馬が出来ていたと思います」(競馬記者)

 実際、レース後には「直線まではスムーズでいい感じでしたが、前の馬が外に出た時にタッチするような感じで躓いてしまいました(ルメール騎手)」をはじめ、「向正面で押し込まれてしまい、ポジションを下げるような形になったのが少し痛かったです(武豊騎手)」「ゲートを出て狭くなるシーンがありました(菅原明良騎手)」など、被害を思わせるコメントが続々……。

 松岡騎手とクリノプレミアムのコンビも、決して意図的にやったことではないとはいえ、G1馬5頭が集結する超豪華メンバーで争われたレースに後味の悪さが残ってしまったことは、非常に残念でならない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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