JRA日経新春杯(G2)D.イーガン「騎乗停止」で強制帰国、ヴェルトライゼンデ満点騎乗も直前に大チョンボ
15日、中京競馬場で行われた日経新春杯(G2)は、好位から抜け出したヴェルトライゼンデ(牡6、栗東・池江泰寿厩舎)が優勝。コントレイル世代の実力馬が、台頭著しい4歳世代を相手に存在感を発揮した。
「このような、日本でもトップクラスでジャパンC(G1)でも3着になるような馬に乗せていただき、関係者、オーナー、調教師の方々に感謝しています」
レース後のコメントで騎乗依頼をもらった関係者への感謝の気持ちを忘れなかったイーガン騎手の好騎乗も光った。
JRAが今年度から平地競走の負担重量の引き上げを決定した関係で、昨年なら58キロで留まったかもしれない斤量も59キロのトップハンデ。道中の加速や末脚の切れに対する影響を懸念されてか、ロバートソンキーに1番人気を譲ったものの、終わってみればヴェルトライゼンデの強さが際立つ内容だった。
レースこそ初騎乗だったとはいえ、追い切りに騎乗していたことでパートナーの癖も手の内に入れていた。逃げたアフリカンゴールドがスローペースに落とす中、道中は内目の5番手で脚を溜め、最後の直線だけ馬場の荒れた内を避けて外に出す理想的な競馬。着差こそクビでも、これは抜け出すとソラを使う弱点を、イーガン騎手が追い切りの段階で把握していたからだろう。
23歳の若武者は、昨年12月に短期免許で初来日したばかり。慣れない異国の地でこれほど早く順応してみせたことは、日本の関係者に強いインパクトを残したはずだ。
満点騎乗も直前に大チョンボ…
ただ、記念すべきJRA初重賞勝利の裏で残念なアクシデントも発生していた。日経新春杯の直前に行われた紅梅S(L)も勝利して連勝となったイーガン騎手だが、このレースで騎乗したダルエスサラームが決勝線手前で外側に斜行したため、パルクリチュードの進路が狭くなったとして、騎乗停止処分が下された。
これにより、1月28日から2月5日まで9日間の騎乗が不可能となり、当初予定していた5日から29日まであった短期免許の交付期間の騎乗が叶わなくなってしまった。日経新春杯の優勝で波に乗りたかったところだが、この大チョンボにより1週間繰り上げで“強制帰国”となってしまったのは誠に残念な限りである。
とはいえ、幸いにも今週末の騎乗は可能。日本の競馬ファンとしても頼りになる外国人騎手を狙えるチャンスはまだ残っている。今週末の東海S(G2)では、イーガン騎手がウェルカムニュース、プロミストウォリアにB.ムルザバエフ騎手が騎乗を予定。同騎手も昨年のホープフルS(G1)で14番人気のドゥラエレーデと大金星を挙げた腕利きだ。
どちらも昨年に短期免許デビューした外国人騎手だ。短期間で猛威を振るっている“黒船”たちに負けないよう、日本人騎手の奮闘にも期待したいところだ。
PICK UP
Ranking
5:30更新- ジャパンCはノーザンファームに逆らうな?武豊×ドウデュース、ルメール×チェルヴィニア、さらに社台グループの意外な隠し玉が出走?
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは