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前代未聞の「父親不明」!? “牝馬黄金世代”の繁殖牝馬がデビュー年にまさかの異常事態

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 25日に日高の北海道市場で開催される『ジェイエス冬季繁殖馬セール』。後の競走馬となる1歳馬・当歳馬のセールとは異なり、引退した繁殖牝馬のセールとあって、競馬ファンというよりは馬主や生産者に向けたイベントではあるのだが、今年はある馬が熱い視線を浴びている。

 それが上場馬No.13のシゲルピンクダイヤ(牝7歳)。3歳時の2019年には桜花賞(G1)でグランアレグリアの2着に食い込む健闘を見せ、秋華賞(G1)でもクロノジェネシスとカレンブーケドールに続く3着と奮闘を見せた実力馬だ。

 最終的には2歳冬の未勝利戦がキャリアで唯一の勝利となったが、古馬になってからも2020年の中日新聞杯(G3)で9番人気2着、翌21年は10番人気3着に激走。通算21戦1勝ながら1億6027万2000円を稼いだ孝行娘であり、2016年生まれ“牝馬黄金世代”の盛り上げに一役買ったヒロインの一頭としてファンから人気を博した。

 昨年1月の愛知杯(G3)をラストランに現役から退いた同馬は、北海道勇払郡むかわ町にある平岡牧場で繁殖入り。第二の馬生を歩み始めたのだが、そんな中で昨年10月にオーナーの森中蕃さんが逝去。それに伴い、初仔の誕生を前にセールへ出される運びとなった。

 現役時代の活躍ぶりから、ここではトップクラスの注目を浴びることは必至。そこで公開されたセリ用の資料『ブラックタイプ』を確認してみると、初の産駒誕生を前にしたシゲルピンクダイヤの驚きの現状が綴られていた。

前代未聞の「父親不明」!?

 というのも、同馬は配合種牡馬「モーリス」として上場されているのだが、まず注意書きとして「先にエピファネイアを種付し射精にいたらなかったため、同日にモーリスを種付しています」という記載がされているのだ。

 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルが運用している血統書サービス『Studbook』を確認してみても、2022年5月8日の種付情報にはエピファネイアとモーリスの名前があり、モーリスの方にだけ「生産予定年月日:2023年4月8日」と明記されている。なんと繁殖牝馬となって最初の種付が、同日に異なる父との種付というかなりのレアケースだったのだ。

 そのうえで『ブラックタイプ』の注意書きには続きがあり、「万一、誕生した産駒の父がエピファネイアであることが判明した場合、落札者が種付料(1100万円)を開設者に支払う義務を負います」とも。ということは、おそらく受胎しているのはモーリスとの仔だが、先に種付を行ったエピファネイアとの仔である可能性も100%否定することはできない、ということだ。

 セールの最注目馬の父がはっきりと断定できないという前代未聞の異常事態。しかも、もし生まれてきた仔がエピファネイア産駒だと判明すれば、2022年のエピファネイアの種付料(1800万円)からモーリスの種付料(700万円)を引いた差額の1100万円を落札者が追加で支払わなければならない。これは購買者にとっても頭を悩ませるポイントだろう。

 まさに波乱の幕開けとなったシゲルピンクダイヤの母としての歩み。ちなみに、同世代のグランアレグリアやクロノジェネシス、カレンブーケドール、ラヴズオンリーユーにダノンファンタジーといったライバルたちも繁殖入りしており、まもなく産駒を出産予定。なんとこの5頭はみなエピファネイアの仔を受胎している。

 もしもシゲルピンクダイヤが出産した仔がエピファネイア産駒だった場合、2019年の牝馬クラシックを盛り上げた黄金世代の仔たちが、2025年から2026年にかけて同じ父の産駒としてバチバチにしのぎを削り合うという未来もあり得るということだ。

 果たして、シゲルピンクダイヤの第二の馬生はどんな歩みとなるのか。まずは25日に開催されるセールの結果から目が離せない。

GJ 編集部

GJ 編集部

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