
【日本ダービー】武豊、川田将雅、C.ルメールらが達成も…超一流の狭き門に挑む手塚貴久調教師、ソールオリエンスで狙う「史上2人目」の快挙
今週は競馬ファンのみならず、日本中が注目する日本ダービー(G1)が行われる。「すべてはこの日のために」と銘打たれるように、ホースマンたちが一度は勝利したいクラシック競走の一つだ。
クラシック競走とは、古くから行われている伝統的な3歳G1競走で、イギリスに倣って作られたものである。日本のG1では桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー、菊花賞の5つがクラシック競走と言われている。
これら全てを勝利した騎手は非常に少なく、長い歴史の中で11人しか達成できていない狭き門だ。達成者には、アメリカ式のモンキー乗りを習得し、騎乗フォームに変革を起こした保田隆芳や、武豊、日本で旋風を起こしたM.デムーロや、C.ルメール、それに川田将雅など超一流騎手らがいる。
トップジョッキーの場合、有力馬に騎乗する機会も増えるため、チャンスを生かせるかどうかといったところだが、それでもこの数字を見る限りは簡単なことではない。
だが、これが管理馬を出走させる調教師となれば、さらに至難の業となる。これまで達成できたのは田中和一郎、尾形藤吉、武田文吾、藤本冨良といった4人の名伯楽のみ。ジョッキーの半分以下という達成者の数からも、ハードルの高さが伝わる。
そんな大記録にリーチをかけているのが、美浦の手塚貴久調教師である。
ソールオリエンスで狙う「史上2人目」の快挙

手塚調教師はアユサンで制した2013年の桜花賞でクラシック初制覇。以降、18年の菊花賞をフィエールマン、21年のオークスをユーバーレーベン、そして今年の皐月賞をソールオリエンスで制した。足かけ11年で完全制覇にリーチをかけた。残る1つは今年の日本ダービーとなる。
また、同じクラシック完全制覇でも、これまで達成した4人はいずれもグレード制が導入される前の旧8大競走時代に達成されたもの。グレード制導入以降、いまだ達成した者のいない記録となるだけに、手塚調教師に懸かる期待も大きい。
もちろん、過去にリーチをかけた調教師がいないわけではない。その中には名伯楽、角居勝彦元調教師(現・一般社団法人ホースコミュニティ代表理事)も含まれている。牝馬で64年ぶりのダービー制覇を成し遂げるなど、G1・26勝を挙げた名伯楽も、クラシック競走は桜花賞を勝利できずに、21年2月に勇退するなど、完全制覇は高き壁となった。
多くの調教師が挑みながらも、61年間達成できなかったクラシック完全制覇に挑む手塚調教師だが、達成となれば重複勝利のないストレートでの達成となる。これは過去に、五冠馬シンザンや、夢の超特急と言われた二冠馬コダマを管理した武田文吾元調教師しか達成していない「アンタッチャブルレコード」だ。
そして伝説の調教師以来の記録達成のためにダービーに送り込むのは、皐月賞を制したソールオリエンス。重馬場の皐月賞でレース上がり3ハロンよりも1.7秒、上がり3ハロン2位のタイムよりも0.9秒も速いタイムを叩き出した末脚は規格外と言える。
手塚調教師の自信は凄まじく『スポーツ報知』の取材に対し「上がり目はある。クラブや牧場の方は、距離はいくらでももつと言っているし、私も大丈夫だと思う」と太鼓判を押し「三冠のチャンスのある馬に出会えたのは、うれしいかぎり」と菊の舞台を見据えた発言があるように、二冠を確信したようなコメントまで飛び出した。
この自信が確信へと変わったとき、ストレートでのクラシック完全制覇の偉業となる。グレード制導入後初の快挙へ向け、視界は良好だ。
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