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「武豊でも惨敗」にオーナーと調教師の衝突再び!? ウシュバテソーロ圧勝の裏で…弟子を守りたい師匠が抱える複雑な想い

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武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 燻ぶっていた火種が再び大きくなりそうだ。

 先月27日に船橋競馬場で開催された第70回日本テレビ盃(G2)。G1・3連勝で今年のドバイワールドC(G1)を制したウシュバテソーロが、格の違いを見せて圧勝劇を演じたのは、単勝オッズ1.6倍の断然人気に支持されていただけに当然だったか。

 ただ本馬の実績を考えると、1倍台前半でも不思議ではなかったにもかかわらず、“意外な高配当”となった理由には、武豊騎手とミトノオー(牡3、美浦・牧光二厩舎)の存在が影響していたはずだ。当日の単勝も2.4倍とウシュバテソーロに続く2番人気。オッズ的にも2頭の一騎打ちムードと考えたファンも多かった。

 何しろ本馬は、ミックファイアが無敗で南関三冠馬となった7月のジャパンダートダービー(G1)で激流に巻き込まれながらも0秒6差の3着に奮闘。日本テレビ盃のウシュバテソーロの実力が他馬より一枚も二枚も上だったとしても、3歳馬のミトノオーは、58キロを背負った大本命より4キロ差の恩恵がある54キロなら勝機はある。単騎逃げに持ち込めそうなメンバー的にも流れが向くのではないかと期待されてのことだろう。

 しかし、注目を集めたレースの結末は、戦前の予想とは裏腹に呆気ない幕切れ。果敢にハナを奪ったミトノオーだが、直後につけたスワーヴアラミスから執拗なマークを受け、息が入らなかったこともあってか勝負どころで早々と失速してしまった。

 これに対し、真っ向勝負でミトノオーを競り落としたスワーヴアラミスが3着に粘り込んだのだから完全な力負けと言わざるを得ない。楽勝したウシュバテソーロからも2秒近く遅れてゴールと散々な結果では、展開云々のレベルの敗戦ではない。

 その一方、ミトノオー陣営から弱気な言葉が漏れていたことも事実だ。

「実は戦前から春の良かった頃に比べると、夏を越しての成長に物足りなさを感じていたそうです。ここまでの惨敗を喫したため、武豊騎手も続投しないのではないかと思われましたが、次走で予定している浦和記念(G2)にも乗ってくれるという返事が返ってきたようです。

ただこれは、弟子を守りたい牧調教師にとって少し悩ましい話になるかもしれません。というのも、元々ミトノオーは弟子の木幡巧也騎手が主戦だった馬で、武豊騎手とのコンビはオーナーたっての希望で決まった経緯があったからです」(競馬記者)

オーナーと調教師の衝突再び!?

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木幡巧騎手 撮影:Ruriko.I

 記者の話によると、兵庫チャンピオンシップ(G2)で武豊騎手との初コンビが決まる前、牧調教師は弟子である木幡巧騎手の継続騎乗を訴えたが、最終的にオーナーの希望が通って乗り替わり。そして武豊騎手も期待に応えて勝利を挙げた。

 いつもは厳しい師匠もこの時ばかりは木幡巧騎手に「弟子を乗せ続けられない情けない調教師ですまない」と謝罪したらしい。今回の敗戦で武豊騎手が乗らないということならば、弟子とのコンビ再結成も視野に入っていたのではないか。

 今年の3歳牡馬は芝、ダート問わずレベルに疑問符が付いているだけに、次走に予定されている浦和記念は試金石となる。コンビ続行も含めて注目したい。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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