【有馬記念(G1)展望】C.ルメール×スターズオンアースVS武豊×ドウデュース! R.ムーア×タスティエーラ、川田将雅×ソールオリエンスの3歳馬にもチャンス
G1馬8頭が集う年末のグランプリ・有馬記念
24日の中山競馬場では年末の風物詩・有馬記念(G1)が行われる。ファン投票1位の絶対王者イクイノックスは不在となったが、9頭のG1馬がエントリー(うち8頭が出走予定)。非常にハイレベル、かつ例年以上に熾烈な争いが展開されそうだ。
主役候補と呼べる馬がざっと数えても10頭近くはいるが、安定感で頭一つ抜けているのはスターズオンアース(牝4歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だろう。
3歳時に牝馬クラシック2冠を奪取し、世代牝馬の頂点に上り詰めたが、秋華賞(G1)で3着に敗れて以降は4連敗中。それでもキャリア全11戦全てで3着以内を確保しており、前走のジャパンC(G1)でもイクイノックスとリバティアイランドに次ぐ3着。地力の高さを見せつけた。
小回りの中山は決してベストの舞台とは言えなさそうだが、3歳時にフェアリーS(G3)で僅差の2着に好走しており、ソツなく立ち回ることができれば、オークス(G1)以来の白星も見えてくる。鞍上はオークスから2走前のヴィクトリアマイル(G1)まで4戦連続で手綱を取っていたC.ルメール騎手に戻り、確勝を期す。
ドウデュースはいよいよ主戦・武豊騎手が復帰!
スターズオンアースとともに昨春のクラシック戦線を盛り上げたドウデュース(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)も完全復活の雰囲気を漂わせている。
昨年5月の日本ダービー(G1)でイクイノックスを撃破し、世代の頂点に立ったドウデュース。秋にはフランス遠征を敢行したが、2戦続けて凡走に終わった。
帰国後はじっくりと時間をかけて立て直しを図り、迎えた今年初戦の京都記念(G2)で復活Vを飾った。ところが、その後はドバイでの出走取消を挟み、天皇賞・秋(G1)で7着、ジャパンCで4着と、同世代ライバルのイクイノックスに力の差をまざまざと見せつけられた。
ただ、近2走は主戦の武豊騎手が負傷のため騎乗できなかったことも響いたか。16日の中山で1か月半ぶりの実戦復帰を果たしたレジェンドと3戦ぶりのコンビでエンジン全開といきたいところだ。スターズオンアースと同様にドウデュースにとっても中山2500mはベストの舞台とは言い難いが、そこは百戦錬磨の武騎手の手腕に期待がかかる。
ダービー馬タスティエーラ、皐月賞馬ソールオリエンスも登場
2頭の4歳馬に対して、年長馬と初めて対峙する3歳クラシックホースの2頭も勝つ能力を秘めている。
今年のダービー馬タスティエーラ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)は、今春の弥生賞ディープインパクト記念(G2)で重賞初Vを飾るも、皐月賞(G1)は2着に敗れた。ただし、この時は逃げ、先行馬が総崩れする中、4角4番手から2着に粘り込む好内容だった。
そして迎えたダービーでは4番人気の支持に留まったが、D.レーン騎手が4番手からの積極策。直線で早めに先頭に立つと、そのまま押し切って「テン乗りでダービーは勝てない」というジンクスを打ち破っている。
春は4戦するハードなローテーションだったが、この秋はトライアルを使わず菊花賞(G1)から始動。同レースでは、中団やや後方からの競馬となったが、勝利したドゥレッツァに次ぐ上がり2位の末脚で2着に入った。
前走後はノーザンファームしがらきで調整。今年のクラシック三冠で全連対を果たした世代の代表格が新馬戦以来となるR.ムーア騎手とのコンビで古馬に挑む。
ソールオリエンスは川田将雅騎手と初コンビ
皐月賞でそのタスティエーラに圧勝したのが、ソールオリエンス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。
デビューから無傷の3連勝で牡馬クラシック第1弾を奪取した時は三冠濃厚とさえいわれたが、続くダービーで圧倒的1番人気を裏切ってタスティエーラの2着。秋はセントライト記念(G2)でレーベンスティールに完敗を喫し、続く菊花賞でも3着に終わった。
勝ったドゥレッツァには5馬身、2着のタスティエーラにも1馬身半の差をつけられており、春先に比べると、その評価は下落中といえるだろう。ただ、中山コースは皐月賞の勝利を含めて「2-1-0-0」と得意にしている舞台。距離は2000m前後がベストとみられるが、コース実績を踏まえれば逆転があってもおかしくない。
鞍上はデビュー2戦目から騎乗してきた横山武史騎手に替わって川田将雅騎手が務める。昨年のリーディングジョッキーと皐月賞馬はどんな化学反応をもたらすか。
ジャスティンパレスも当然の主役候補
タスティエーラ、ソールオリエンスと同じく、今春に初G1のタイトルを獲得したのがジャスティンパレス(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。
昨年は牡馬クラシックに皆勤するも、菊花賞3着が最高着順だった。4歳となった今年に本格化を果たし、阪神大賞典(G2)と天皇賞・春(G1)を連勝。続く宝塚記念(G1)でもイクイノックスから0秒2差の3着に好走していた。
この秋はぶっつけ本番で臨んだ天皇賞・秋で後方から追い込んでの2着。今回は叩き2戦目、かつ前走から500mの距離延長もプラスに働くだろう。鞍上は前走に続き横山武騎手が務める。
有終の美を飾りたいタイトルホルダー
横山武騎手の兄・横山和生騎手が騎乗するのは、メンバー最多のG1・3勝を誇るタイトルホルダー(牡5歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。
これまで菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念を制し、昨年春の時点では現役最強ステイヤーに君臨していた。しかし、その後は6戦1勝とやや精彩を欠いている。
暮れのグランプリは今回で3年連続の出走。2年前は2番手から進めて5着、昨年は逃げて9着に沈んだが、引退レースとなる今年は果たしてどんな競馬を見せてくれるか。
スルーセブンシーズは池添謙一騎手と2度目のコンビ
この他には、近2走の宝塚記念と凱旋門賞(仏G1)でそれぞれ2着、4着に好走したスルーセブンシーズ(牝5歳、美浦・尾関知人厩舎)、3歳牝馬で唯一の参戦となるハーパー(牝3歳、栗東・友道康夫厩舎)、G1で2着が4回あるディープボンド(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)なども出走を予定している。
混戦模様で迎える年末の大一番、第68回有馬記念は24日の15時40分に発走を迎える。
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