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【ブルーバードC(G3)展望】新ダート三冠路線がいよいよ始動! 開幕戦であのJRAのパイオニアと地方最強ジョッキーがコンビ結成!?

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新ダート三冠路線の開幕戦からJRAと地方が激突!

 17日、南関東の船橋競馬場でブルーバードC(G3、ダート1800m)が行われる。

 2022年まで準重賞だったが、今年から幕を開けた「全日本的なダート競走の体系整備」による新たなダート三冠路線創設によってG3に昇格。施行距離も1700mから本番と同じ1800mに延長された。1着馬には4月24日に行われるダートクラシック第1戦・羽田盃(G1)への優先出走権が与えられる。

 今年の皐月賞(G1)が4月14日に行われることを考慮すると、このブルーバードCは中央の牡馬クラシックにおける京成杯(G3)のような位置付けだ。本番までにまだ時間があるものの、昨年は京成杯を勝ったソールオリエンスが皐月賞でも優勝。十分な間隔が取れるブルーバードCも、年々その価値を上げていくレースになるかもしれない。さっそく展望していこう。

「全日本的なダート競走の体系整備」における最大の革命は、ダート三冠路線が交流重賞として地方だけでなく中央にも開放されたことだ。このブルーバードCにも、さっそく有望なJRA勢が出走する。


 中心視されそうなのは、紅一点のアンモシエラ(牝3歳、栗東・松永幹夫厩舎)か。

 昨年のホープフルS(G1)を牝馬のレガレイラが勝利した通り、今年の明け3歳牝馬は例年以上のハイレベル。アンモシエラもすでにもちの木賞(1勝クラス)で牡馬を相手に快勝している。前走のホープフルSは15着に大敗だったが、芝だけに度外視できるはずだ。

 もちの木賞は結果こそアタマ差の接戦だったが、2着に退けたアラレタバシルは次走の1勝クラスを完勝とレベルの高さは証明済み。新ダート三冠路線の“開幕戦”はいきなり牝馬が勝利という斬新な幕開けになるかもしれない。鞍上は、次代のリーディングを狙う坂井瑠星騎手だ。


 もう1頭のJRA勢となるバロンドール(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)も優勝候補の一角だ。

 芝のエリカ賞(1勝クラス)こそ7着に惨敗しているが、ダートでは3戦2勝3着1回と底を見せていないバロンドール。ダート唯一の敗戦は昨年10月のデビュー戦だったが、勝ったのは後に全日本2歳優駿(G1)を7馬身差で圧勝するフォーエバーヤングと仕方のない部分もあった。

 一方で、ダートの2勝は未勝利戦が6馬身差、1勝クラスが1馬身3/4差と危なげない内容。中団から繰り出す末脚は信頼性が高く、主戦の横山典弘騎手がきっちり競馬を教え込んでいる証だろう。この末脚は、今回もライバルたちの脅威になるはずだ。

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エコロガイア 撮影:Ruriko.I

ダート三冠改革元年に「あのパイオニア」が動く?

 3頭目のJRA勢エコロガイア(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)は距離が課題か。

 ここまでダートで2勝しており、実績面ではアンモシエラやバロンドールと引けを取らないが、問題はその2勝が共に1200mという点に尽きる。父のSpeightstownはマテラスカイやリエノテソーロといったダートの快速馬を輩出しているが、やはり距離適性はマイル以下といった印象だ。

 ただし、そんなエコロガイアには心強い味方がいる。森厩舎はJRAでも有数の交流重賞実績を誇り、かつてシーキングザパールで日本調教馬による海外G1初制覇を飾るなど、様々なチャレンジで時代を切り開いてきたパイオニアだ。新ダート三冠路線の開幕戦にさっそく管理馬を送り込んでくる辺りは、如何にも森厩舎といったところか。

 そんな森厩舎が鞍上に迎えたのが中央ではなく、大井の笹川翼騎手。言わずと知れた、昨年の南関東リーディングジョッキーだ。ちなみに昨年は合計311勝を挙げ、74勝を挙げた船橋でもリーディングを獲得。これ以上ない助っ人と言えるだろう。


 迎え撃つ地方勢からは、まずブラックバトラー(牡3歳、北海道・田中淳司厩舎)の名を挙げたい。

 門別で行われた前走のJBC2歳優駿(G3)では3着と地元の意地を見せたブラックバトラー。それも1着が前述した世代No.1のフォーエバーヤング、2着が後のホープフルSの3着馬サンライズジパングなら、上々の結果と言えるだろう。上位2頭には大差をつけられたが、今回は相手関係が楽になるはずだ。鞍上は矢野貴之騎手が務める。


 佐賀から遠征するウルトラノホシ(牡3歳、佐賀・真島元徳厩舎)は、前走G1の経験を活かしたい。

 前走の全日本2歳優駿では6着だったものの、勝ったフォーエバーヤングに3秒差をつけられる完敗だった。ただし、地方勢という括りでは3着サントノーレに続く2番目と、結果は決して悪くない。

 ウルトラノホシにとって、大きな魅力になりそうなのが1800mへの距離延長だろう。父がダートの中長距離で絶対的な存在だったホッコータルマエだけに、本馬ももう少し距離が欲しかった。1800mは前々走のJRA認定競走を勝っており、2着に3馬身差をつける完勝。鞍上の石川倭騎手を含め、期待値は低くないはずだ。

 他に、カプセルは前走の兵庫ジュニアグランプリ(G2)こそ8着だったが、3勝を含む豊富なキャリアが武器だ。キタノヒーロー、バハマフレイバー、ソレナは地元・船橋の意地を見せたいところか。

 交流重賞として新たな時代を迎えたダート三冠路線。その開幕戦に位置付けられた新重賞ブルーバードCを制すのは中央か、それとも地方か。いよいよダート革命の元年が幕を開ける。

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