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【フェブラリーS】8枠有利は本当か? 2020年は16番人気ケイティブレイブが激走…東京ダート1600m徹底検証

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 今週末は2024年最初のG1レースであるフェブラリーS(G1)が行われる。ご存知のように冬のダート王を決める大一番だ。

 舞台となる東京ダート1600mは「外枠が有利」という定説がある。これは芝コースがスタート地点であり、外枠の方が内枠よりも長く芝の上を走れることが由来していると思われる。中でも大外に当たる8枠は、最もその恩恵を受けられるというわけだ。

 過去4年で3頭の8枠15番馬が馬券に絡んでおり、3番人気、5番人気、16番人気とオッズ的にもかなり美味しい。とはいえ「8枠有利説」はどこまで真実なのか、あらためて検証したい。

 そこでフェブラリーSはもちろん、このコースで行われる重賞レースの武蔵野S(G3)とユニコーンS(G3)(昨年までは東京ダート1600mで開催されていた)の傾向も合わせてチェックする。

 まずは過去20年(2004~2023年)の枠順別成績(勝率・連対率・複勝率)から。

 

■ユニコーンS

1枠 2-4-1-29 勝率 5.6% 連対率16.7% 複勝率19.4%
2枠 2-2-3-33 勝率 5.0% 連対率10.0% 複勝率17.5%
3枠 3-1-3-31 勝率 7.9% 連対率10.5% 複勝率18.4%
4枠 2-4-1-33 勝率 5.0% 連対率15.0% 複勝率17.5%
5枠 2-4-0-33 勝率 5.1% 連対率15.4% 複勝率15.4%
6枠 6-0-3-31 勝率15.0% 連対率15.0% 複勝率22.5%
7枠 2-2-6-30 勝率 5.0% 連対率10.0% 複勝率25.0%
8枠 1-3-4-32 勝率 2.5% 連対率10.0% 複勝率20.0%

 

■武蔵野S

1枠 0-2-1-35 勝率 0.0% 連対率 5.3% 複勝率 7.9%
2枠 6-3-2-27 勝率15.8% 連対率23.7% 複勝率28.9%
3枠 3-1-3-33 勝率 7.5% 連対率10.0% 複勝率17.5%
4枠 3-3-5-29 勝率 7.5% 連対率15.0% 複勝率27.5%
5枠 0-2-2-36 勝率 0.0% 連対率 5.0% 複勝率10.0%
6枠 4-3-5-28 勝率10.0% 連対率17.5% 複勝率30.0%
7枠 1-3-1-35 勝率 2.5% 連対率10.0% 複勝率12.5%
8枠 3-3-1-33 勝率 7.5% 連対率15.0% 複勝率17.5%

 

■フェブラリーS

1枠 1-1-1-35 勝率 2.6% 連対率 5.3% 複勝率 7.9%
2枠 4-2-3-30 勝率10.3% 連対率15.4% 複勝率23.1%
3枠 1-2-4-33 勝率 2.5% 連対率 7.5% 複勝率17.5%
4枠 2-3-1-34 勝率 5.0% 連対率12.5% 複勝率15.0%
5枠 1-4-5-29 勝率 2.6% 連対率12.8% 複勝率25.6%
6枠 4-0-3-33 勝率10.0% 連対率10.0% 複勝率17.5%
7枠 3-4-0-33 勝率 7.5% 連対率17.5% 複勝率17.5%
8枠 4-4-3-29 勝率10.0% 連対率20.0% 複勝率27.5%


 次に8枠で3着以内に好走した馬の人気を調べる。

 

■ユニコーンS(3歳限定)

2021 2着 サヴァ       牡3 石川裕 (栗)上村洋 14人気 520kg (+2)
2020 1着 カフェファラオ   牡3 レーン (美)堀宣行 1人気 512kg (+8)
2017 3着 サンライズソア   牡3 岩崎翼 (栗)河内洋 3人気 498kg (+4)
2015 2着 ノボバカラ     牡3 北村宏 (美)天間昭 9人気 494kg (+4)
2014 2着 コーリンベリー   牝3 松山弘 (栗)柴田政 4人気 476kg (+20)
2013 3着 ケイアイレオーネ  牡3 幸英明 (栗)西浦勝 11人気 542kg (0)
2010 3着 サンライズクォリア 牡3 福永祐 (栗)石坂正 6人気 448kg (+1)
2005 3着 ドンクール     牡3 熊沢重 (栗)梅内忍 2人気 488kg (-6)

 

■武蔵野S

2021 1着 ソリストサンダー  牡6 戸崎圭 (栗)高柳大 3人気 482kg (+2)
2019 3着 ダノンフェイス   牡6 大野拓 (栗)大久保 13人気 528kg (+2)
2015 2着 タガノトネール   セ5 戸崎圭 (栗)鮫島一 5人気 498kg (+3)
2011 1着 ナムラタイタン   牡5 熊沢重 (栗)大橋勇 4人気 520kg (-2)
2010 2着 ダノンカモン    牡4 三浦皇 (栗)池江泰 4人気 522kg (+4)
2006 1着 シーキングザベスト 牡5 勝浦正 (栗)森秀行 2人気 470kg (-2)
2004 2着 サイレンスボーイ  牡5 田中勝 (栗)石坂正 2人気 476kg (-4)

 

■フェブラリーS

2023 2着 レッドルゼル    牡7 川田将 (栗)安田隆 3人気 488kg (0)
2022 2着 テイエムサウスダン 牡5 岩田康 (栗)飯田雄 5人気 546kg (-8)
2020 2着 ケイティブレイブ  牡7 長岡禎 (栗)杉山晴 16人気 524kg (+4)
2014 2着 ホッコータルマエ  牡5 幸英明 (栗)西浦勝 2人気 506kg (0)
2012 1着 テスタマッタ    牡6 岩田康 (栗)村山明 7人気 504kg (+2)
2009 1着 サクセスブロッケン 牡4 内田博 (栗)藤原英 6人気 522kg (+7)
2008 1着 ヴァーミリアン   牡6 武豊 (栗)石坂正 1人気 520kg (+7)
2008 3着 ワイルドワンダー  牡6 岩田康 (美)久保田 3人気 452kg (+4)
2007 3着 ビッググラス    牡6 村田一 (栗)中尾秀 9人気 518kg (0)
2005 1着 メイショウボーラー 牡4 福永祐 (栗)白井寿 1人気 492kg (-4)
2004 3着 スターリングローズ 牡7 福永祐 (栗)北橋修 9人気 522kg (-2)

 

~傾向~

 この成績だけでは8枠が突出して良績を残しているとはいいにくい。場合によっては8枠より2枠や6枠の方が好成績という見方もある。ただフェブラリーSだけをみれば、連対率も複勝率も8枠がトップで勝率も上位の数値。


~超大型馬・人気薄~

 興味深いのは、3レースとも人気薄の激走が多いことだ。11番人気以下の4頭を含め、5番人気以下の激走は12頭と全26頭中の約半数を占めている。ちなみに11番人気以下の4頭はすべて520kg以上の超大型馬だった。

 

~馬体重・馬体減~

 3着までなら450kg前後の馬でも好走できるが、1~2着を争うには470kg以上の馬格が必要。特にフェブラリーSで8枠ながら1~2着に好走した馬は488kg以上の大型馬だった。

 

~西高東低~

 圧倒的な西高東低となっていることも見逃せない。上記26頭の内訳は関西馬23頭に対して関東馬はわずか3頭。出走頭数の比率も大幅に関西馬が多いが、それだけ全体的なレベルが高い証拠だ。また昨年以降の傾向として、レモンポップとウシュバテソーロが不在のダート重賞は関西馬が好成績を残していることも付け加えておく。


 以上を踏まえると8枠で買える馬は自ずと絞られる。今年はドンフランキーとアルファマムの2頭が8枠に入ったが、上記の傾向から買えるのは「ドンフランキー」のみといえる。単騎で逃げた時は【6.2.0.1】と崩れず、スピードの違いで同型のペプチドナイルを抑えてハナを切れるだろう。2022年のテイエムサウスダンを彷彿させるものを感じる。

 今回は距離実績と骨折明けで人気にはならず、馬券的にも絶好の狙い目ではなかろうか。勝利までは難しいものの、2~3着争いに面白い存在。ぜひ買い目の1頭に加えてほしいところだ。

仙谷コウタ

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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