【川崎記念(G1)展望】大器セラフィックコールが待望のG1獲りへ王手! 2番手は武豊ノットゥルノも気になる「あの馬」
4月3日には川崎競馬場で川崎記念(G1、ダート2100m)が行われる。
昨年まで川崎記念は1月下旬もしくは2月初旬に開催されており、近年はドバイワールドC(G1)へのステップレース的な役割を果たしていた。しかし、今年から新設されたダート三冠を目玉にした、いわゆる「ダート革命」の流れで今年から4月に開催されることなった。
30日深夜に行われたドバイワールドCから、わずか4日後という日程に注目度やメンバーレベルが心配されたが、G1馬2頭を含むまずまずのメンバーが集結。6月の帝王賞(G1)へ繋がる重要な一戦となりそうだ。
今年の主役は、未完の大器セラフィックコール(牡4歳、栗東・寺島良厩舎)だ。
昨年、デビューから怒涛の5連勝でみやこS(G3)を制覇。12月のチャンピオンズC(G1)では、G1初挑戦ながらダート王レモンポップに続く2番人気に支持された。
ところが、レースでは本来の力を全く発揮できず10着に大敗。不可解な敗戦に、主戦のM.デムーロ騎手も「外を回った分があったのかな……」と敗因を絞り出す他なかった。
名誉挽回がテーマになった今年は3月のダイオライト記念(G2)から始動。何かを変えたい陣営は、ここでB.ムルザバエフ騎手との再コンビを決断。賛否両論を呼んだものの、4馬身差で圧勝と「結果」で雑音を封じた。
今度こそG1獲りに待ったなし。ダート界の頂点を目指し、セラフィックコールがまずは1つ目の勲章を手にするか。鞍上は引き続きムルザバエフ騎手が務める。
待望のG1制覇を目指すセラフィックコールだが、ライバルたちも黙ってはいない。特にG1馬のノットゥルノ(牡5歳、栗東・音無秀孝厩舎)は、ここで再び出る杭を打ちたいところだろう。
一昨年のジャパンダートダービー(G1)を勝って世代の頂点に立ったノットゥルノ。しかし、飛躍が期待されたその後は鳴かず飛ばずで、すっかり交流G1の脇役になってしまった。
そんなノットゥルノが変わり身を見せたのが、前走の佐賀記念(G3)だ。4コーナーで早々に先頭に立つと、あとは後続を引き離す一方。終わってみれば2着キリンジを4馬身ちぎる圧勝だった。これには主戦の武豊騎手も「途中からは完全にプラン通りのレースができた」と自画自賛。大きな手応えを得て、川崎記念に駒を進めてきた印象だ。
そんな武豊騎手にとって、気になる存在が女王アイコンテーラー(牝6歳、栗東・河内洋厩舎)ではないだろうか。
昨年のJBCレディスクラシック(G1)を制覇し、ダート界の女王の座に君臨したアイコンテーラー。他にもシリウスS(G3)2着など、男馬相手でも十分に戦える力は持っている。
だが、昨年のチャンピオンズCの大敗を経て、挑んだ前走の仁川S(L)では1番人気に推されながらも3着。必勝を託された武豊騎手だったが、レース後には「3コーナー辺りで突っ張ってブレーキをかける感じに。気性面(の悪さ)が出てしまった」とテン乗りの難しさを語っている。今回は松山弘平騎手が騎乗する。
重賞2勝のグロリアムンディ(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)も当然、優勝候補の一角だ。
前年のチャンピオンズCで2番人気を背負いながらも大敗した素質馬が、ダイオライト記念で重賞制覇――。どこかで聞いた話に似ているが、こちらは昨年のグロリアムンディの話である。ダイオライト記念の後には、平安S(G3)で重賞連勝。さらに韓国へ遠征したコリアC(G3)でも2着と完全に本格化した印象だった。
しかし、リベンジを期して挑んだ昨年のチャンピオンズCで、またも大敗……。G1の壁というよりも、今のグロリアムンディにとって1800mは少し短いのかもしれない。何故なら、そう言いたくなるほど、昨年のダイオライト記念の勝利が圧巻だったからだ。
最後の直線で逃げ粘るテリオスベルをあっさりパスすると、後続をグングン引き離して独走。終わってみれば9馬身差の圧勝だったように、ダート2400mでは怪物級のパフォーマンスを見せている。今回はダート2100mだが、ハマれば圧勝まであるかもしれない。鞍上は坂井瑠星騎手。
他にもJRA勢からは、昨年の浦和記念(G2)と名古屋グランプリ(G2)を連勝したディクテオン(セ6歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)や、No.2女王グランブリッジ(牝5歳、栗東・新谷功一厩舎)も出走予定。地方勢からもシルトプレや、ライトウォーリア、ロードブレスなどが好調ぶりを見せているが、やはり中央勢の壁は厚そうだ。
果たして、新たな歴史を踏み出した川崎記念を制すのはセラフィックコールか、それとも――。レースは4月3日(水)20時10分に発走を迎える。
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