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「最強世代」の『最強馬』無敗の皐月賞馬アグネスタキオンが駆け抜けた「神話」

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 この名馬3頭が同じレースを走るのは後にも先にもこのレースだけだが、単勝1.4倍のクロフネに4.5倍でアグネスタキオン、4.8倍でジャングルポケットが続く。続く4番人気の単勝が23.4倍だったことからも、レースは完全にこの「三強」の争いと見られていた。

 ところがレースは「一強」だった。これが2戦目と三強の他のライバルよりも少ないキャリアだったアグネスタキオンが、直線入り口で先頭に立ったクロフネを一瞬で抜き去ると、あとは後続をまったく寄せ付けずにゴール。

 直線入り口で先頭に並び掛けるような積極的な競馬にも関わらず、記録した上がり3ハロンは全馬最速。こんな走りをされては、後続は成す術もないだろう。最終的に外から伸びてきたジャングルポケットに2馬身以上、クロフネには4馬身近くの差をつけて、アグネスタキオンがレースレコードで重賞初制覇を飾った。

 実は、朝日杯3歳S(現朝日杯FS)(G1)の優勝馬がほぼ万票近くで選出されることが通例の最優秀3歳(現2歳)牡馬の選考だが、この2001年だけは”例外”だった。その年の朝日杯優勝馬となるメジロベイリーの「147票」に対し、アグネスタキオンは「119票」を集めている。

 繰り返しになるが完敗したジャングルポケットやクロフネは、4着以下に5馬身以上の差をつけていることからも決して弱い馬ではない。

 それぐらい、アグネスタキオンのラジオたんぱ杯3歳Sの内容が強すぎたのだ。

 続く弥生賞(G2)では、早くからアグネスタキオンの参戦が決まっていたため、出走馬は僅か8頭しか集まらなかった。アグネスタキオンはこの不良馬場で行われた弥生賞を、まともに追うところなく5馬身差で圧勝。これには2着に敗れた武豊騎手も「強すぎる。クラシックもハンデ戦にしないと」と冗談交じりに白旗を上げるしかなかった。

 唯一の懸念材料だった重馬場でも、その強さを見せつけたアグネスタキオン。皐月賞制覇を疑う者は、最早ほとんどいなくなったと述べても過言ではなかった。

 迎えた皐月賞では、当時の歴代2位となる単勝支持率59.4%を集め、単勝1.3倍の圧倒的な「一強」状態。これは後の三冠馬ディープインパクトの皐月賞と同じ単勝オッズである。

 レースの結果は冒頭でも触れた通り、アグネスタキオンが難なく勝利。『アグネスタキオン、まず一冠!』と実況される中、誰もがナリタブライアン以来の三冠馬の到来を意識せざるを得ない完勝劇だった。

 しかし、その後アグネスタキオンは屈腱炎を発症。引退を余儀なくされ「超光速の粒子」という名前の通り”異次元”から現れ、瞬く間に駆け抜けていってしまった。

 今年の3歳牡馬はあの時と同じく極めてハイレベル。しかし、その実力は未知数な部分が多く拮抗している状態だ。だが、この皐月賞が終わった時、今年の「本当の勢力図」がある程度はっきりするだろう。

 同じ世代に生まれてしまったのが「惜しい」とまで言われる俊英たち。
 彼らは競馬史を変える「本物」か、それとも競馬史を彩るだけの「偽物」か――。

 僅か4戦に終わったアグネスタキオンの「神話」から15年。
 今年は、皐月賞から「神話」が始まるのかもしれない。

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