JRA皐月賞(G1)「未知の魅力」シュヴァルツリーゼ。復活堀宣行厩舎で「第二のサトノクラウン」への道も
14日、中山競馬場で皐月賞(G1、芝2000メートル)が開催される。わずか2戦のキャリアで挑むのがシュヴァルツリーゼ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)。どんな戦いができるのか、検討してみよう。
シュヴァルツリーゼは昨年11月の府中でデビュー。この新馬戦(芝1800メートル)ではコディーノ(東スポ杯2歳S優勝)、チェッキーノ(オークス2着)の全弟ヴァンランディが人気を集め、シュヴァルツリーゼは2番人気だった。鞍上の藤岡康太騎手が好位につけ、直線に入って追い始めるとややもたつき加減だったが、エンジンがかかると鋭く伸びて2着馬に2馬身半差をつけて快勝した。
新馬戦が強い勝ち方だっただけに2走目がどこになるのか注目された。2月の共同通信杯(G3、芝1800メートル)に登録したが回避。新馬戦後、脚元のモヤモヤなどがあったのだろう。陣営が選択したのは3月の弥生賞(G2、芝2000メートル)。新馬戦以来4カ月振りのレースとなった。
スタート直後、隣りの馬が寄れたため馬体がぶつかり後方からのレースとなる。鞍上の石橋脩騎手は3角から大外を回って進撃開始。ところが、何かに驚いたのか外にふくれ、4角でも内外にふらついてしまう。直線半ばあたりから真っ直ぐ走ったが、勝ったメイショウテンゲンには1馬身半届かなかった。上がり3Fは最速の36秒2。メイショウテンゲンが上がり2位の36秒7で、それよりも0.5秒早い。
レース後、石橋騎手は「3コーナーで勢いがついたときに、内から寄られて馬がびっくりした。それがなければ、もっと際どかった」と分析している。ただし、外へのふくれやふらつきとは関係なくエンジンのかかりが遅いタイプなのかもしれない。新馬戦でも追われ始めはもたついていた。
石橋騎手は皐月賞でこの馬の特性をもっと生かすレースをしてくるはず。しかし、3戦目の皐月賞で勝ち負けするのは容易ではない。グレード制が導入された1984年以降、3戦目の皐月賞で馬券圏内にきたのは1993年に3着だったシクレノンシェリフのみ。