JRAルメール「G1・4連勝に死角!?」グランアレグリアNHKマイルC(G1)で怖すぎる「あの癖」
そして、桜花賞は外から並ばれると嫌気を出す癖を解消しての完勝だったのかというと、そうではない。外に馬を置くことなく慎重に外目を先行、4角手前からのロングスパートで押し切った。1週前追い切り後、藤沢和雄調教師は「2歳時はまだうるさいところがありましたが、メンタル面ですごく成長して今は穏やかです」と語っている。しかし、だからといって揉まれる競馬もできるという保証にはならない。
ルメール騎手は今回も他馬と並ぶのを避けるレースに徹するだろう。一昨年、鞍上横山典弘騎手のアエロリットが思い出される。桜花賞では後方から追い込んだが、NHKマイルCでは必要以上に外々を回る2番手の競馬から優勝した。もちろん、桜花賞の追い込み(5着)もNHKマイルCの外目先行も他馬と並びたくなかったからだ。アエロリットも気性的に難しい馬で、道悪の中、揉まれに揉まれたペガサスWCターフ(G1、芝1900メートル)は大惨敗した。
グランアレグリアが気性的に成長していれば、多少揉まれても克服できる可能性はあるが、それは未知数。横山騎手のアエロリットはノーマークで先行できたが、今回、朝日杯FSでグランアレグリアを徹底マークしたM.デムーロ騎手×アドマイヤマーズが再び同じ作戦に出てくるはず。出入りの激しい競馬になればグランアレグリアの惨敗も想定しなければならない。
とはいえ、グランアレグリアとルメール騎手のコンビが桜花賞のようにスムーズな競馬ができれば、2005年のラインクラフト以来久々となる桜花賞、NHKマイルCの連勝の可能性は十分ある。この春も絶好調、ルメール騎手は春の3歳G1レースをすべて勝ってしまう勢いだが……。