JRA・NHKマイルC(G1)波乱の立役者? プールヴィル鍵はマイル適性だが……
5月5日、NHKマイルC(G1、芝1600メートル)が行われる。桜花賞(G1、芝1600メートル)で6着だったプールヴィル(牝3歳、栗東・庄野靖志厩舎)は好配当を提供してくれる伏兵なのだろうか。
桜花賞でプールヴィルの馬券を買っていた人は阪神外回りの長い直線がより長く感じられたことだろう。鞍上秋山真一郎騎手のプールヴィルは大外18番から逃げを打ち、まんまとスローペースに持ち込んだ。4角で早々とグランアレグリアに交わされたが、直線ではしぶとく2番手に踏ん張っていた。ゴール前100メートルあたりで数頭に抜かれてしまったが、2着のシゲルピンクダイヤに0.2秒離されただけの好走だった。
グランアレグリアの桜花賞の勝ちタイムがレースレコードの1分32秒7、プールヴィルは1分33秒3。今年のNHKマイルCのメンバー中、この2頭の持ち時計が抜けている。それをプールヴィルが狙える理由にしても間違いではないだろう。持ちタイム比較も競馬予想の基本の1つ。
前々走のフィリーズレビュー(G2、芝1400メートル)ではノーワンと同着だったが重賞を初制覇した。稍重での勝ちタイム1分22秒0はかなりレベルの高いレースだったことを示している。明け4歳になって成長著しい1頭と言える。ここでも期待していいのではないか。
プールヴィルがNHKマイルCで好走するにはいくつか課題もある。1つはローテーション。桜花賞から中3週。短期間での調整は容易ではない。桜花賞出走時の馬体重は418キロと小柄な女の子なのだ。東スポのYouTube動画の取材に対して庄野靖志調教師は「桜花賞の後、それなりに疲れはありましたが、こちらが思っていた以上に回復は早かったです。桜花賞の状態を維持できればいいですね」と答えていた。
1週前追い切りは栗東・坂路で4F52秒7-1F12秒6とまずまずの時計を出して負荷をかけられた。動きははつらつとしていた。最終追い切りは輸送を考慮して軽目だったが、体調に問題はなさそうだ。ただし、初の長距離輸送となるので当日の馬体重には注意が必要。これまでと同様420キロ前後で出走したい。