JRA「史上最悪」禁止薬物問題に「隠蔽工作」疑い!? 実は「未然に防げた」が、昨年12月から「無検査」出荷……
JRA(日本中央競馬会)は15日、禁止薬物を含んだサプリメントを摂取した可能性がある馬が判明したため、今週出走する156頭を競走除外にすると発表した。
また同日、阪神競馬場などで会見を開き、禁止薬物テオブロミンが混入された飼料添加物が、日本農産工業が取り扱う『グリーンカル』であることがわかった。
「これで公正な競馬ができるかという感じ……」
前代未聞の大規模除外に、現場関係者も戸惑いの色を隠せないようだ。
16日に函館で行われる函館スプリントS(G3)で、1番人気が確実視されながら除外の憂き目に遭ったダノンスマッシュの安田隆行調教師は『スポーツ報知』の取材に「最悪ですね。コメントがない。期待していただけに残念です。おかしいですよ」と激情を隠さなかった。
「今回、問題となったグリーンカルを使用した疑いで調査対象になったのは栗東22、美浦6の計28厩舎。しかし、安田調教師が『こっちが被害者』と話していた通り、現場関係者には防ぎようのないアクシデントでした。グリーンカルの流通・販売を行っていたのは主にJRAファシリティーズなど4社。文字通りJRAの関連会社であり、厩舎側は正規のルートで購入していたわけですから」(競馬記者)
いわばJRA側の不手際によって発生してしまった今回の大量除外騒動。不信感を募らせざるを得ない競馬ファンはもちろんのこと、オーナーを始めとした除外の憂き目に遭った競走馬の関係者の被害は計り知れない。
特に安田厩舎ら28厩舎の被害は、単純に今回レースを除外されただけに留まらず、先週までの出走馬に関しても当然、禁止薬物テオブロミン使用の”疑惑”が持たれてしまう。
実際に会見に応じた裁決委員の伊藤忍氏も「否定はできない」と認めており、すでに取り返しのつかない状況になる可能性が濃厚だ。安田調教師が怒りを露にするのも当然だろう。
JRAの掲げる公正競馬の根幹を揺るがしかねない今回の事件。発覚から2日が経ち、その「原因」が見えてきた。