JRA「舞台最高」メールドグラースはトップハンデも怖くない!? 小倉記念(G3)で中距離G1戦線殴りこみの準備へ
遅咲きなのは父ルーラーシップの影響もありそうです。ルーラーシップの代表産駒キセキは3歳時に菊花賞(G1、芝3000メートル)を制していますが、超のつく道悪が有利に働いたと見るべきかもしれません。本格化したのは4歳になった昨年の秋で、ジャパンC(G1、芝2400メートル)ではアーモンドアイの2着に好走しました。
ジャパンCは世界レコードでの決着でしたが、レースとしては持続力勝負です。タイムの速い遅いに関係なく、メールドグラースも瞬間の切れ味よりもパワーを生かせる舞台でこその馬なのでしょう。新潟大賞典と鳴尾記念を相対的に速い上がりで勝ってはいますが、スパッと切れるというより、じわじわと長くいい脚を使っています」(同)
小倉記念の上がり3Fは35秒台が多く比較的時計がかかる。つまり、持続力勝負になりやすい。ならば、メールドグラースにとってうってつけのレースと言える。たとえ57.5キロのトップハンデでも馬券から外すのは無謀なようだ。
キタサンブラックを猛稽古で鍛え超一流馬に育てた清水調教師は、メールドグラースについて「(小倉記念で)結果を出して秋は大きいところを狙いたい」と野望を語る。G3を2連勝しながら、あえてG3で重賞3連勝を目指すのは、実戦でもう一回りのスケールアップを狙ってのことだろう。
アーモンドアイ、レイデオロ、キセキ、ダノンプレミアム、ワグネリアンなどなど、中距離G1レースでは強力なライバルが待ち構えている。メールドグラースがこれらの強豪と渡り合うためには、さらなるパワーアップが必要だ。秋に強豪たちと遜色なく戦えることを証明するための走りを小倉記念で見せてもらいたい。