【重賞展望】過去にはハープスター、ジャスタウェイ、ロードクエストなど……夏の2歳戦一番の出世レース・新潟2歳S(G3)に今年も「大器」が続々と集結!
昨年も2着には牝馬で12番人気のウインファビラスが激走したように、この時期の牝馬はやはり侮れない。新馬戦のインパクトなら牝馬のアピールバイオ(牝、美浦・牧厩舎)が台頭してくる。
デビュー戦となった7月の新馬戦(福島、1800m)では、雨の中を後続に8馬身差をつけての逃げ切り。圧巻の走りで7番人気の低評価を覆した。逃げて、上がり最速で8馬身差という優秀な内容なら、ここでも強気になれそうなものだが、指揮官は意外に冷静だ。
「小柄な牝馬だけに、間隔は空いても仕上げやすい。初戦は展開に恵まれた面もあるので、今回はその点が鍵でしょう。1ハロン短縮は問題ないので頑張ってほしい」と牧光二調教師は、あくまで挑戦者の姿勢を崩さない。ラッパを吹かない分、人気も落ち着きそうで有力馬が敬遠しあうなら、再度の逃げ切りがあってもまったくおかしくはない。
この時期の2歳馬だけにキャリアが、重要な経験となることは間違いない。唯一の2勝馬リンクスゼロ(牡、栗東・森厩舎)には当然ながら警戒が必要だ。
これで4戦目となるが、その一戦一戦が”糧”になっている。前走のダリア賞(OP)では果敢に逃げて、早くも2勝目をゲット。決して派手な馬ではないが、この時期は「経験」が「素質」を上回る結果も往々にしてある。
「使った後も問題ない。だいぶ大人っぽくなった。学習能力が高いですね」と陣営がコメントしている通り、すでに高い完成度がこの馬の強み。経験というアドバンテージをフルに活かせば、初の重賞制覇も見えてくるはずだ。期待のホープ松若風馬騎手の積極性に期待したい。
他にも勢いのあるリーチザクラウン産駒のニシノオウカン、切れ者ビハインドザマスクを祖母に持つサンライズソア、ディープ×ストームキャットが光るキャスパリーグなど来年の主役を張るかもしれない”大器”が続々。
夏の2歳戦一番の出世レース新潟2歳Sは28日(日)の15時45分に発走予定だ。