JRAキセキ「落第」フォワ賞完敗で凱旋門賞赤信号!? 「古馬牡馬絶対不利」な本番では……
日本時間15日夜、仏・パリロンシャン競馬場で、10月に開催される凱旋門賞(G1)前哨戦・フォワ賞(G2)が開催され、日本のキセキ(牡5 栗東・角居勝彦厩舎)が出走。4頭立ての3着に敗れた。
少頭数、前哨戦とはいえ完敗、と表現できるだろう。好スタートから積極的にハナを主張したキセキは、単騎逃げの形に。道中も軽快に飛ばしたまま直線を迎えたが、キセキをマークするように2番手につけていた昨年の同レース覇者ヴァルトガイスト(牡5 仏・A.ファーブル厩舎)が軽い手応えで一気に抜け出し先頭に。キセキも食い下がろうとするが差は拡がり、終盤ではウェイトゥパリス(牡6、仏・A.マルチャリス厩舎)にも差され、3着に終わった。
ヴァルトガイストは昨年同レースを制し、サンクルー大賞(G1)も勝利した強豪。本番の主役であるエネイブルや先日引退を発表したクリスタルオーシャンの影に隠れてこそいるが、今年もプリンスオブウェールズSとキングジョージでともに3着と、中長距離における現役トップクラスの1頭だ。キセキ陣営もこの馬がいる以上楽な戦いにはならないと認識はしていただろうが……。
「勝ちタイムは良馬場の2分27秒57で、まずまず流れた印象。そしてレースを作ったのはキセキです。逃げというのも最近の日本でのレースと同じで、自分のレースは出来たとは思いますが、鞍上C.スミヨン騎手が『もう少し柔らかい馬場のほうが……』と語った通り、瞬発力勝負では分が悪かったですね。もちろん、『あくまで前哨戦』と考えることも出来ますが……。
一方で、一度もステッキを使わなかったヴァルトガイストとの差をまざまざと見せつけられたのは事実でしょう。ヴァルトガイストは確かに強かったですが、この馬の実績だけを見れば、本番で立ちはだかるエネイブルの足元にも及ばない存在。やはり世界の壁は高いですね」(競馬ライター)
フォワ賞はこれまで、エルコンドルパサーやオルフェーヴルが勝利し、本番でも善戦した歴史がある。しかしこの2頭は日本でも飛び抜けた能力を示したトップホース。フォワ賞2着から凱旋門賞でも2着した2010年ナカヤマフェスタの例もあるが、強豪相手に善戦はしていた、とも見られる。