JRA神戸新聞杯(G2)「不気味な豪脚」レッドジェニアルが春の雪辱に準備万端か

 

 22日(日)に阪神競馬場で開催される菊花賞トライアル神戸新聞杯(G2)。

 11頭と頭数は少ないが、皐月賞馬のサートゥルナーリア(牡3、栗東・角居勝彦厩舎)をはじめ、日本ダービー3着のヴェロックス(牡3、栗東・中内田充正厩舎)、クラシックを期待されながらも、脚部不安で春を棒に振った実力馬ワールドプレミア(牡3、栗東・友道康夫厩舎)など有力馬が出走を予定している。

 特に日本ダービーで主戦のC・ルメール騎手が騎乗停止となり、鞍上が変わったこともあって惜しくも2冠を逃したサートゥルナーリアは人気を集めることだろう。

 この神戸新聞杯の出走馬の中で、注目したい1頭がいる。日本ダービーの前哨戦となる京都新聞杯で、のちの日本ダービー馬・ロジャーバローズをクビ差退けて重賞初制覇を飾ったレッドジェニアル(牡3、栗東・高橋義忠厩舎)だ。

 レッドジェニアルは新馬戦、未勝利戦と連続して3着したあと、今年2月の未勝利戦で勝ち上がり、特別戦を経て京都新聞杯に挑戦した。

 500万下の格上挑戦ということもあり、京都新聞杯では11番人気と低評価だったが、レースでは中団を追走する格好で好位へ進出し、上がり最速となる34.7秒の鬼脚で逃げるロジャーバローズをゴール前クビ差捉えて勝利した。

 続く日本ダービーでは、出遅れが響いたこともあり伸びきれず8着に終わり、京都新聞杯で下したロジャーバローズに栄冠を奪われた。しかし、日本ダービーの上がりタイムは皐月賞馬のサートゥルナーリアに続く34.2秒をマーク。実力の片鱗を見せつけた。

 秋の始動戦を神戸新聞杯に定め、12日の栗東CWコースでは3歳2勝クラスの寮馬を9馬身追走。スピードに任せた走りではなく、ジワジワと加速するような走りで最後までしっかり脚を伸ばし、3馬身先着。6ハロン79秒8-11秒8と優秀なタイムで駆け抜けた。

 本番でも鞍上を務める酒井学が調教でも手綱を執ったが「成長を感じました。直線の反応の仕方に好感が持てました」といい手応えだったことを口にした。

 高橋師も「春は精神的に扱いにくいところがあったけど、だいぶ落ち着いて常識にかかってきた。精神的に安定しているのは、頼もしいです」と日刊スポーツの取材にもコメント。夏を越して、愛馬の成長ぶりに満足しているようだ。

 神戸新聞杯の舞台となる阪神2400mも経験済み。最後の1冠をかけたトライアルで、京都新聞杯の時に見せた豪脚を再現することができるだろうか。

 強豪がそろったが、ダービー馬を下した実績がある以上負けられないレースだと言えよう。神戸新聞杯は22日15:35発走予定だ。

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