JRAウインブライト「謎の凡走」に天皇賞・秋(G1)回避も……松岡正海「普通のオープン馬とはまるっきり逆」夏の過ごし方に疑問?
22日に中山競馬場で行われたオールカマー(G2)は、4番人気のスティッフェリオが逃げ切って重賞3勝目。秋のG1戦線に向けて好スタートを切った。
一方、2番人気に支持されたウインブライト(牡5歳、美浦・畠山吉宏厩舎)は、ブービーとなる9着……。いや、最下位が中央未勝利のトニーファイブだっただけに“実質最下位”に大敗と述べていいだろう。
今春に香港のクイーンエリザベス2世Cを制してG1初制覇を飾るなど、3戦3勝と今最も勢いに乗っていた有望株が、秋の始動戦で大きく躓いた。
「目標は、この馬であとG1を何個勝てるか」という強気な松岡正海騎手の言葉とは裏腹に、あまりにも不甲斐ない結果が待っていた。3番手の好位を追走したウインブライトだったが、最後の直線でズルズルと後退……。
最近の充実ぶりからしても、思わず「故障か」と疑ってしまう、まさかの凡走だった。
レース後、松岡騎手が「距離が長い。位置取りは一番良かったが、4コーナーでもたれていた」とコメントした通り、適性よりもやや長い2200mに加えて、G1馬として背負う58kgの斤量……不安要素が皆無だったというわけではない。
だが、それでも2000m ならG1勝ちを含む重賞3勝。加えて、ここまで8戦5勝2連対と得意にしていた中山コースだけに、人気は妥当な評価と言えたのではないだろうか。
「松岡騎手は距離不安を指摘していましたが、2000mであれだけ強い競馬をする馬が、200m伸びただけで、あれだけ失速することは不可解。敗因は距離以外にもあるように思えますね。
というのも、ウインブライトはもともと休み明けがあまり得意な馬ではありませんが、この日は特に緩い印象を受けました。今回は12月の香港遠征を見越しての仕上げということですが、変則的だった『夏の過ごし方』に疑問を抱かざるを得ない結果となってしまいましたね」(競馬記者)
数字的には+11kgだったが、春の中山記念(G2)からは+2kg。表面的には、そこまで大きな不安は見受けられなかったようだ。だが、現場のパドックでは“緩さ”が目に付いていたという。