【東京スポーツ杯2歳S(G3)展望】「良血馬一騎討ち」ラインベックVS アルジャンナ! 来年のクラシックを占う負けられない一戦
16日(土)に東京競馬場にて東京スポーツ杯2歳S(G3)が開催される。
このレースは暮れの朝日杯FS(G1)の前哨戦という位置付けだが、過去の連対馬には後にG1を制覇した馬が多く、出世レースという側面もある。
一昨年の勝ち馬ワグネリアンは日本ダービー(G1)を制覇。2016年の2着馬スワーヴリチャードは大阪杯(G1)、2014年の勝ち馬サトノクラウンは宝塚記念(G1)、2013年の勝ち馬イスラボニータは皐月賞(G1)、2011年の勝ち馬ディープブリランテはダービーを勝っているなど錚々たるメンバーが名前を連ねている。
今年は11頭が登録を済ませているが、注目を集めているのがラインベック(牡2、栗東・友道康夫厩舎)だ。
父・ディープインパクト、母・アパパネと牡牝3冠馬から生まれた超良血馬だ。6月の中京でデビュー。圧倒的な1番人気に推され、2番手から抜け出して1馬身以上の差をつけて完勝。2戦目は中京2歳S(OP)を選び、ここでも中団から進出する競馬で2馬身差をつけて楽勝している。
2戦ともマイルで今回は200m距離が伸びるが、稍重、重と良馬場で走ったことのない馬。1ハロンの距離延長は能力で押し切ってしまう可能性は十分ある。
新馬戦で強い勝ち方をしたアルジャンナ(牡2、栗東・池江泰寿厩舎)も見逃せない。
父・ディープインパクト、母は米G1勝ちのコントコマンドという良血。9月の阪神でデビューした。5頭立てと少頭数のレースで、最後方からの競馬。直線に入って、前の4頭を上がり最速の33.6秒でごぼう抜きし、1馬身以上の差をつけて単勝1.1倍という圧倒的人気に応えた。
新馬戦は2000m戦だったので、1ハロンの短縮は問題ないだろう。ここでも鬼脚を炸裂させるか。
新馬戦で目立った馬と言えばコントレイル(牡2、栗東・矢作芳人厩舎)もいる。
9月の阪神でデビュー。3番手で前を見る競馬から、直線でメンバー中唯一の33秒台となる上がり33.5秒の末脚を使って先頭を抜き去り、2馬身半引き離して勝利をものにした。デビュー戦と同距離のこのレースで再び強さを発揮できるか見物だ。
新馬戦では4番人気と人気はなかったが、勝負強さを見せつけたのがリグージェ(牡2、美浦・木村哲也厩舎)だ。
8月の新潟でデビュー。後方につける競馬から直線では1番人気の馬と叩き合いになり、ハナ差だけ交わして勝利をもぎ取った。上がり33.0秒と2歳馬らしからぬ鋭い末脚を披露した。後方からの競馬なら東京の長い直線は能力を発揮するのに絶好の舞台だろう。
そのほか、すでに4戦を消化しているも小倉2歳S(G3)で4着と好走したゼンノジャスタ(牡2、栗東・浅見秀一厩舎)や、未勝利戦を勝ち上がったばかりだが、3戦してすべて上がり最速をマークしているオーロラフラッシュ(牝2、美浦・藤沢和雄厩舎)なども侮れない存在だ。
朝日杯FSだけでなく、今後のG1戦線をも左右しそうなこの一戦。発走は15:30を予定している。