JRAデムーロ悲惨「デットーリ変更」オメガパフュームだけじゃない! 今や「奪われる側」に
JBCクラシック(G1)で2着だったオメガパフューム(牡4歳、栗東・安田翔伍厩舎)が、次走に予定しているチャンピオンズC(G1)で、L.デットーリ騎手とコンビを組むことが分かった。
デットーリ騎手は、最強牝馬エネイブルの主戦騎手としても知られる世界トップクラスの騎手。これまでジャパンC(G1)に合わせて来日し、96年のシングスピール、02年のファルブラヴ、そして05年のアルカセットで3勝をあげている。今年は11月9日から日本で騎乗予定だったが、メルボルンC(豪G1)で騎乗停止処分が下ったため、来日を延期し、23日から12月1日まで騎乗することになった。
すでにオメガパフュームでのチャンピオンズC以外にも、ジャパンC(G1)ではルックトゥワイス、チャレンジC(G3)にはギベオンで向かうことが発表されている。日本での騎乗後は香港に参戦する予定だという。
今秋はデットーリ騎手に加えて、C.スミヨン騎手、O.マーフィー騎手、W.ビュイック騎手などが短期免許で来日。世界を股にかける実力派たちが日本に集結して覇を競っている。見る者にとっては楽しいことこの上ないが、騎手としては有力馬の鞍上を奪われる可能性も出てくるため、手放しで喜ぶことはできないのは当然。そして今回は、その一番の被害者としてM.デムーロ騎手の名前があがりそうだ。
「デムーロ騎手にとってオメガパフュームを失うのは痛いですね。また今週末はマイルCSですが、長らく騎乗していたペルシアンナイトは、前走の毎日王冠(G2)でA.シュタルケ騎手が騎乗し、今回もO.マーフィー騎手が鞍上を務めます。さらにジャパンCでも、デムーロ騎手のお手馬だったスワーヴリチャードはマーフィー騎手が騎乗予定です。
現代の競馬界において乗り替わりは常。かつてはデムーロ騎手が『他の騎手から有力馬を強奪した』とも言われることもありましたが、調子を落としていることもあり、今や奪われる側に回ってしまった感すらあります。さすがにこの現状は寂しいものがありますね」(競馬誌ライター)
まだデムーロ騎手のお手馬には、今年のNHKマイルC(G1)覇者であるアドマイヤマーズがいる。だが、同馬は前走の富士S(G3)で1番人気ながら10着と大敗。次走は香港マイル(G1)が予定されており、デムーロ騎手も巻き返しに意欲を見せているというが、まだ陣営は鞍上を発表していない。ここでもデムーロ騎手にとっての“悪夢”が繰り返されてもおかしくはないだろう。
デムーロ騎手が次々にお手馬を失う原因のひとつに、長期に渡るスランプがある。復調さえすれば、また有力馬からの依頼がひっきりなしに舞い込むと思うのだが、その兆しはまだ見えない。
デムーロ騎手の冬は長くなりそうだ。