JRA武豊ロードレガリス筆頭に「ダートの新勢力」が続々登場 中距離戦線から目が離せない!?
23日に行われるフェブラリーS(G1)はダート1600mだが、ダート中距離戦線でも楽しみな馬が続々登場している。これからはじまる春のダート重賞で注目しておきたい馬たちである。
まずは8日の京都11RアルデバランS(OP)を快勝したロードレガリス(牡5、栗東・野中賢二厩舎)だ。父ハーツクライはリスグラシューやジャスタウェイなど芝で多数の活躍馬を出したが、この馬はダートで頭角を現した。
デビューして芝で数戦使われたが、結果が出ず、一度は大井へ移籍してから出戻った異色の経歴の持ち主。ダートで潜在能力の高さを見せて一変、中央に戻ると4連勝で一気にOPまで駆け上がった。
中央復帰戦こそ単勝2.3倍にとどまったが、武豊騎手に乗り替わってから3戦すべてで単勝1倍台の支持を受けて3連勝。これで地方からの連勝は6となり、7連勝で昨年のフェブラリーSを制した厩舎の先輩インティとも比較されるようになった。
野中師も「現状では大ざっぱな競馬しかできない。そのあたりが課題。ただ、インティよりもレースの幅は増やせそうやな」と将来性を高く評価している。
アルデバランSのあとは、いったん休ませて平安S(G3)から初重賞勝ちを目指す。このまま順調に行くと近いうちにインティと激突する可能性も出て来る。どう使い分けていくか陣営には悩ましいところだろう。
次に面白そうなのが曾祖母に稀代の快速馬サクラバクシンオーの全妹ラトラヴィアータのいるマグナレガーロ(牡5、栗東・角居勝彦厩舎)だ。ここまで5戦4勝とほぼ完璧な成績を残しており、前走の舞鶴S(3勝クラス)を危なげない勝ち方でOP入りを決めた。
初騎乗だった川田将雅騎手は「途中から流れがきつくなっても対応してくれました。能力の高さをより見せてくれましたね」と振り返った。管理する角居勝彦調教師も「強かったです。これだけ走れるとどこまでいけるか楽しみです。様子を見て、今後のことは考えます」と手応えを感じている。
もう1頭は16日の京都10R北山S(3勝クラス)でスピードの違いを見せて圧勝したベストタッチダウン(牡4、栗東・橋口慎介厩舎)だ。芝からダートに転戦した1勝クラスで3着、2着と惜敗したが、逃げに転じて素質開花。これまでの惜敗が嘘のような圧勝を続けて3連勝でOP入りを決めた。
連勝の中身も2着馬に1.7秒、0.5秒、0.5秒と接戦がなく、上のクラスに上がっても壁はなさそうな雰囲気だ。また、馬体重もプラス14キロ、6キロ、14キロと逞しさは増すばかり。これについても川田騎手からは「体重が増えていましたが、成長分です」とお墨付きをもらった。434キロでデビューした馬が498キロともはや別馬、その差64キロは痩せ型の成人男性一人分に近い。これはもう驚くべき成長を遂げたといえる。
今回取り上げた馬たちの名前をG1で見掛けることもそう遠くないだろう。ハイレベルなレースを繰り広げてくれそうな楽しみな面々である。