JRAダノンキングリー「横典マジック」で善戦マン返上!? 「カンパニー化」もある?

 3月1日に行われる中山記念(G2)は、3連覇を狙うウインブライト、春秋マイル王インディチャンプなど登録馬9頭の半数を上回る5頭のG1馬が出走を予定。近年稀に見る超豪華メンバーが集まった。

 G1未勝利ではあるが、能力は決して見劣らないダノンキングリー(牡4、美浦・萩原清厩舎)に注目したい。1週前追い切りではウッドで5F65秒2-1F11秒7の好時計をマーク。「動きは良かった。春の目標に関しては今回の結果を見て考えたい」と萩原調教師もまずはここで結果を出してからと意気込みを語った。

 昨年のクラシックでは皐月賞(G1)を3着、日本ダービー(G1)を2着とあと一歩のところで戴冠を逃した。距離適性を考慮して菊花賞(G1)を回避して挑んだ毎日王冠(G2)では、アエロリット、インディチャンプなどのG1馬5頭を相手に最速上がり33.4の切れ味で一蹴した。古馬の壁をモノともしない圧勝を評価され、2番人気に支持されたマイルCS(G1)だったが、好位のインから伸び切れずに5着と敗れた。

 末脚が不発に終わった理由としては、絶好と思われた1枠1番が仇となって、終始内目の荒れた馬場を走らされたことが大きいだろう。また、昨秋の京都は例年より力を要する馬場となっていた。軽さと切れが武器であるディープインパクト産駒のダノンキングリーにとっては情状酌量の余地がある。

 その点、中山記念からの始動は条件的にも好走する可能性が高い。3月の中山は開幕週となるため、馬場状態は回復が見られる。輸送も京都も初めてだった前走に対してホームの中山開催は歓迎材料だ。中山は後にNHKマイル(G1)と香港マイル(G1)を勝ったアドマイヤマーズに皐月賞で先着したように得意コースだ。

 鞍上の横山典弘騎手もまた、中山記念を得意としている。同レースは18年に5番人気のアエロリットで2着、17年に8番人気のサクラアンプルールで2着と穴馬で存在感を示した。また、14年は騎乗停止の福永祐一騎手の代打となった1番人気ジャスタウェイで1着と人気でも穴でも頼もしい活躍を見せている。

 また、横山典騎手の中山記念といえば、2008年のカンパニーでの勝利が有名だろう。同馬は高い能力を認められながらも、主戦だった福永騎手とのコンビでもどかしいレースを続けていた。

 ところが、横山典騎手と初コンビとなった中山記念では、それまでの後方待機から一転して積極的な先行策で快勝すると、続くマイラーズC(G2)も連勝。翌年の中山記念も連覇すると、秋には毎日王冠(G2)、秋の天皇賞(G1)で女傑・ウオッカを連続撃破し、8歳にして悲願のG1制覇を成し遂げた。その後のマイルCS(G1)ではG1初の1番人気に支持されると危なげないレースで完勝し、引退レースを見事な勝利を飾った。

 先週の小倉大賞典(G3)はクラシックでしのぎを削ったヴェロックスが単勝1.4倍の圧倒的支持を受けながらも9着と人気を裏切った。4歳はレベルが低いと囁かれつつある現状を打破するためにも、ダノンキングリーとしては中山記念で結果を出すことで、よからぬ噂を払拭したいところだ。

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