JRA無観客「馬券売上」どうなる? すでに「無観客実施」の大井競馬の売上は……
27日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的として、大井競馬場で「無観客競馬」が開催された。JRAも今週末の開催から無観客競馬の実施を発表しており、当面の間続く見込みだ。
この無観客競馬で実際に騎乗した大井の帝王・的場文男騎手は「ファンがいないと寂しい」と悲しげにコメントし、新型コロナウイルスの早期収束を願った。また南関東リーディングの森泰斗騎手は「乗っていて違和感がある。ジョッキーが感染してしまうと開催さえできないため、一人一人気を付けないと」と、騎手自身の感染予防も開催のために必要と、身を引き締めた。
「無人のパドック、無人のスタンド前で行われるレースは異様な光景だった。大井より広いJRAの競馬場で無観客競馬となると、より違和感があるだろう。
また無観客競馬を知らずに、足を運んでくるファンもいた。インターネットで情報が発信されているとはいえ、前日の発表だったため、情報を知らないファンがいてもおかしくない。今週末の中央競馬でも、同様のことが起こるかもしれない」(競馬記者)
開催4日目から急遽、無観客となった大井競馬は大きな混乱はなく無事開催を終えている。だが、27日から競馬場での馬券発売がなく、全国の場外馬券場での販売も中止になったため、売上の変化も気になるところだ。
27日の売上は11億5325万円。重賞のない平日だった25日と比較すると、1億3484万円の減少となった。電話・インターネット投票のみでの発売にしては健闘した数字であるが、売上減少はやはり死活問題だ。
29日から無観客競馬を実施するJRAにとっても、売上減少は避けて通れない。だが、もしかすると軽傷で済むかもしれない。
JRAは29日、3月1日のグリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」を無料放送にすることを発表している。本来、競馬場に足を運ぼうと思っていたファンへの措置である。
今回の措置を受けてネット上では、「午前中のレースが見られる」、「いつもより馬券を買ってしまいそう」といった声が挙がっている。これは中央競馬の中継のうち、午前中に施行される競走は、普段はグリーンチャンネルの有料会員しか視聴できないためだ。
これまで平日の代替開催のときにグリーンチャンネルの無料放送はあったものの、今回は通常開催での無料放送。これが馬券売上にどう影響するかは未知数である。少しでもいい方向に働けばよいのだが。
心配されるのは馬券売上だけでない。馬券売上は電話・インターネット投票があるが、競馬場内の店舗、競馬場の近隣店舗、交通機関にとって、無観客競馬は大打撃だ。
新型コロナウイルスが早く収束し、本来の開催へ戻ることを切に願う。