武豊「目の負傷」が警鐘を鳴らす!? 芝の塊直撃「カバー3枚入れてたのに……」貫通でゴーグル破壊の悲劇
29日、サウジアラビアで行われたサンバサウジダービーCでフルフラット(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)を見事勝利に導き、自身の海外で勝利した国を「9」とした武豊騎手。全く衰えを感じさせない名手には、益々の成長すら感じさせられる。
世界的なイベントということで武豊騎手も、様々なメディアに登場していたが、実は映像で片目が腫れていることが一部で話題になっている。
どうやら目のアザはサウジアラビア遠征中ではなく、日本でできたようだ。きっかけとなる“事案”が起きたのは2月23日、東京10RアメジストS(3勝クラス)での出来事だ。
「騎乗馬ゴータイミングは中団やや後ろで折り合いをつけて末脚勝負に賭けたが、直線では伸びる事なく終わった。ただ、よく映像を見てもらうと武豊騎手が少し変な動きをしていた。
本人に聞いたら『芝の塊が飛んできてゴーグルが割れてしまった。カバーも3枚入れてたのに……。凄いわ、芝が硬くて。一瞬前が全く見えなくなったので危なかったよ』と相当な恐怖を感じた様子だった」(競馬記者)
レース映像を確認すると、たしかに直線に向いたところでゴーグルをしきりに触っている様子が映っている。またこの時の衝撃は勝負服に血がつくほどで、周りの騎手もかなり驚いていたようだ。目の腫れが1週間経っても引いていないことから、相当危険な出来事だったことが推測される。
「すぐさまJRAの職員や馬場委員の北村宏司騎手などと、馬場について協議したようです。この東京開催では松岡正海騎手が落馬負傷で大きな怪我をしました。あそこまで酷い状況になったのも、少なからず『馬場の硬さが影響しているのでは』と言われています。
またほかのジョッキーからも馬場の硬さを指摘する声も上がっており、2月の東京競馬場の芝は異常な状態だった事が伺えます」(競馬記者)
以前から「硬い馬場」、「高速馬場」への指摘は多くされているが、改めて問題提起する出来事となった。
ジャパンC(G1)では海外馬が集まらない理由のひとつに、日本特有の高速馬場が挙げられている。また馬が故障しやすくなる原因、落馬した時のジョッキーのダメージが大きいという指摘もある。
日本とは対照的な欧州のクッションが効いた深い芝が必ずしも良いとは言えないが、今回の武豊騎手、松岡騎手の事故で「硬い馬場」の見直しが再度求められるだろう。
先週末に武豊騎手が騎乗したサウジアラビアのキングアブドゥラジズ競馬場は、今年芝コースを新設したばかり。お披露目会で試走したL.デットーリ騎手は「大成功」と称賛し、「フェアで素晴らしいコース」とW.ビュイック騎手も太鼓判を押している。欧州のトップジョッキーお墨付きの芝コースの印象は、日本の競馬場とは異なるものだったはずだ。
武豊騎手の「アザ」は、サウジアラビアから日本の馬場に「警鐘」を鳴らす象徴なのかもしれない。