JRA川田将雅「暴走してしまった」阪神大賞典(G2)キセキ大出遅れ響きまさかの惨敗! 春の天皇賞に暗雲
目を疑う光景というよりほかない。
「ゲートが開いても出る気がなく、出た後もひたすら暴走してしまいました」と、キセキに騎乗した川田将雅騎手は渋い顔でコメントするのが精いっぱいだった。
ゲートが開き、各馬一斉にスタートするも、そこにいるはずのキセキの姿はない。鞍上に促されてようやくゲートから出たときには、前を行く集団からはすでに7馬身ほど離されていた。
徐々に前を追いかけて、馬群の最後方に位置していたレノヴァールに追いついたときには1周目の3コーナーを過ぎていた。
ところが、キセキは1000m通過して以降もそのまま加速を続けたのである。
2周目に差し掛かったあたりには先頭に並びかける位置までポジションをあげた。この動きに合わせて前を行くタイセイトレイルとドレッドノータスはペースアップ。キセキは3番手で直線を迎えることになった。
一瞬は先頭に立つ勢いを見せるも、それまでのビハインドが大き過ぎた。キセキにはもはや抵抗するだけの余力は残っていなかった。残り200mから後退、勝ち馬ユーキャンスマイルから0.6秒遅れてゴールした。
元JRAの安藤勝己氏も自身のTwitterで「キセキはゲートでじっとしてるのに出ない厄介なパターン」と触れた。
「キセキは昨年の有馬記念でも出遅れていましたから、スタートには注意していましたが、ここまでとは……。宝塚記念のゴールドシップのような大出遅れになってしまいました。
ただ、今回のみならいいのですが、次回も安心はできません。ルーラーシップも出遅れ癖が酷かっただけに、父の難しい気性が出て来ているのかも……」(競馬記者)
昨年の宝塚記念(G1)以来のコンビ結成で、必勝を期して臨んだレースだった。春の天皇賞を前に、キセキ陣営にとっては想定外のアクシデントだったかもしれない。